9月に入って、晴れ間が戻ってきた。それと共に日が落ちるのも早くなって会社から帰る7時ごろはもう薄墨色。鈴虫のリンリンと言う鳴き声が季節の移ろいを感じさせる。間違いなく夏は終わったようだ。何となく寂しいような気がする・・・。
基本、本好きの私ではあるが生来の怠け者、まるっきり本から離れた生活をおくることも珍しくはない。ところが今年の夏は雨が多くて外遊びができなかったためか、図書館で本を借りることが多く、読書三昧の日を過ごした。その中でも気に入ったのが「みをつくし料理帖」。薫り高い時代ものであって義理や人情、生一本の江戸文化の中で、一人の女料理人の健気な生き様が丹念に描かれていて、実に読後感が爽やかな本である。このみをつくし料理帖、7月の時点で9巻目までが発売されていた。私が読み始めたのが7月。運よく図書館に有ったこともあって、瞬くまに9巻まで読み終えて、いよいよ8月に売り出される最終巻だけとなった。で、図書館に最終巻を借りようと検索したのだが、北九州図書館にはなかった。発売されていないのか、購入していないのか。 「これはしばらく待つしかないな」と思って、宮部みゆきの「ソロモンの偽証」を借りることにした。
ところが、wanikoさんのブログを見るとみをつくし料理帖最終巻「天の梯」を、もう読んだ!と紹介されていた。本中毒のwanikoさんだから当たり前と言えば当たり前なのだが、図書館を経由せずに買ったようなのだ。
wanikoさんが読んだとなると私も今すぐにでも読みたい。特に最終巻だからハッピーエンドで終わる筈、楽しみな結末に違いない。ということで、出勤した帰りに小倉駅の本屋で私も買ってきた。文庫本で670円。小説を買うのもずいぶん久しぶりだった。
喜び勇んで読み始めた途端に、図書館からメールが入った。予約していた本が準備できました、と。 翌日、図書館で「ソロモンの偽証1,2巻」「疾風ロンド」の3冊を借りてきたのだが、ソロモンの偽証の厚さに驚いた。1冊が普通の本の2冊分ある。東野圭吾の「疾風ロンド」は申し込んで1年以上も待ったのだからこれも早く読みたい。とりあえず読書に精を出さねばと、「疾風ロンド」を1日で読み終えた。そうこうしていると、またまた図書館からメール。「ソロモンの偽証、第3巻」が準備できたと!
図書館の貸し出し期間は2週間。みをつくし料理帖最終巻はしばらく措くとして、ソロモンの偽証を何とかせねばならない。厚いし、文字は小さいし。宮部みゆき特有の感性溢れた描写が多いだろうと予測されるこの本、全巻を2週間で読み終えられるだろうか。目薬をポケットに入れて気力を振り絞らねば!
結局、私の選択は読みたくて堪らない「天の梯」をアッという間に読み終えた。ある程度は予想していた結末だったので大満足。心豊かにソロモンの偽証に取り掛かれる。