久しぶりにたっ君です。活発になって奏君に負けずに悪さします。和君は空手やピアノ、習い事で疲れて寝てしまうことが多いです。
会社のK君、と言っても過去に何度か紹介した「夢見るK君」ではなく、「マイペースK君」の方だ。彼はタケノコグループの最若手で、年に数度の飲み会を企画してくれたりして嫌な顔をせずに雑用係勤めている。豪放磊落と言えば聞こえはいいが、要するに自分の信条に素直に従っている。言葉づかいも若いころから変わらず、傍若無人に聞こえるので対外的には損をしている。誤解を受けやすい性格が出世を邪魔しているのだが、本人は変えるつもりはないようだ。しかしながら、家庭的には良いパパで、息子二人は優秀な成績で大会社でバリバリと働いている。屋外志向が強く、農地を借りて家庭菜園をしており、時々私にも玉ねぎやキャベツなどを持ってくる。なぜか私を慕ってくれて、4月に一年延長が決まった時にはすごく喜んでくれた。
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そのK君から連絡が入った。火曜日のことだ。「急ですが今夜タケノコ会で飲み会をする」と。一月に新年会を開いたばかりなのに、今年は皆暇だと考えながら、駅前の居酒屋に出向いた。グループ員4人が揃ったところで詳しい話を聴くと、なんとK君、ボランティアで福島に行くと言う。親会社がグループ各社に呼びかけて隊員15人のグループを4隊、計60人の有志を募集していたのだが、K君、我が社から立候補して見事に審査合格したのだった。手を挙げたのは全部で113人だから、ほぼ半数が振り落とされたことになる。それも当社からはK君一人だけだったというから、快挙だ。出発は金曜日というので、その火曜日しかタケノコグループの全員が集まれなかったのだった。タケノコ会で壮行会を開けて良かった。
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場所は福島県の南相馬市で、仕事はごみや瓦礫の撤去だそうだ。期間は9日間、その間は電力会社の営業所の会議室を借りて雑魚寝と言う。50代のK君には厳しい条件だが、数年前にはサイクリングで野宿しながら北陸を廻った猛者でもあるし、頑張り屋なので何とかなるだろう。審査した人も彼の性格を見抜いたものと思われる。
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K君の朗報を肴にその日の酒は美味かった。久しぶりに酔ってしまった気分。奥さんは反対していると言っていたが、そうだろう。子供たちが独り立ちして、気楽な余生の筈ではあるが、やはり被災が気がかりだ。奥さんに隠れてこそっと出発せねば、と冗談じみて言っていたが、真実なのかも。無事に勤めを果たして帰還することを願う。
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