勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

情けは・・・

2014-02-17 20:55:38 | Weblog
 偶に電車を利用する人がいた。彼は周囲に老人が立っていると席を譲るようにしていたという。ある花見の帰りのこと、すっかり寝入った3歳の息子を抱っこして電車に乗った。歩き疲れて疲労困ぱいだが、空いている席はない。息子を抱いたまま悲痛な顔になる。すると目の前に座っていた老人が立ち上がり、「座りなさい、ほら、ここ、ここ」と席を譲ってくれた。「そんなわけにはいきません」と、やせ我慢。すると「あんた、覚えてないんだね、以前私に席を譲ってくれたじゃないか」とその老人。「助かります」と家内に息子を抱かせて座らせたが、涙が出そうになった。と述懐する。

 メダルに沸くオリンピックだが、その陰には感動的な話もある。11日に行われたクロスカントリー男子スプリント準決勝でのこと。ロシアの選手が転倒し、スキー板を折るアクシデントがあった。彼は集団からは遅れながらも必死に滑る。ゴール数百メートル手前で再び転倒し、スキー板は真っ二つ、もう滑ることさえできない。そこに駆け寄ってスキー板を履き替えさせたのはライバルチームであるカナダのコーチだった。「苦しんでいる彼をそのままにしておくことはできなかった」といい、ロシアの選手は無事ゴールした。 


 このカナダチームはトリノ五輪の時、上位を争っていた自国のスプリント女子選手のストックが折れてしまった。それを見かねたノルウェーの監督がストックを手渡し、カナダチームは銀メダルを獲得する。ストックを手渡したノルウェーチームは4位でメダルを逃すことになった。その時のカナダチームの選手の一人は、今回ロシアの選手にスキー板を手渡したコーチの奥さんだったという。情けは人の為ならずとか、因果応報とかいうが、僕はこのごろ涙腺が緩くなったようだ。