昨夜は心配された夕立もなく、駅まで迎えに行った脇役も無事到着。隅田川花火大会の夜が始まった。
主役のお転婆娘は、持ってきた浴衣に嫌々着替えたものの、パパのご機嫌取りのための写真を撮るとすぐに脱ぎ捨て、花火の良く見える屋上に陣取る。
訪れる夕闇に、眼下のビルの灯が瞬きはじめた午後7時、ド~ンという大きな音と共に夜空に開いた光の花。
昼寝が出来なかった主役のお転婆娘は、花火が始まると間もなく、絶え間ない花火のさく裂音を子守唄代わりに寝てしまった。
毎年思うことだが、花火の写真は難しい。多くのプロの写真を見るにつけ、我が画像の迫力不足には失望するが、だからプロの価値があると己を慰める。
隅田川の花火大会は第1と第2のふたつの会場から打ち上げられるが、部屋から見える花火は第2会場だけ。屋上からはふたつの会場の花火が見える。1時間半、下町の夜を華やかに彩った夏の夜の火の花は、午後8時半、祭のあとの寂しさを漂わせ、夜の静寂(しじま)に消えていった。