勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

ふたりの渡良瀬川

2008-01-29 23:47:39 | Weblog

 群馬大学を卒業後、中学校の体育教師になってわずか2ヵ月、クラブ活動で指導中の大怪我による頚椎損傷で、首から下の運動機能を失った星野富弘さん。24歳のことである。絶望の淵から立ち上がり、口に咥えた絵筆で描いた花の詩画。

 一方、日本でも屈指の禅僧といわれる、道元の遺した仏の教え「正法眼蔵(しょうほうげんぞう)」を、わかりやすく自分の言葉で表現した書家・相田みつをさん。

 群馬と栃木で違う時代に育ち、何の脈絡もないこのふたり。ともに渡良瀬川を友とした共通点があったのだ。

 このふたつのいのち、花の詩画と書の世界が、東京国際フォーラム、相田みつを美術館で握手した。

 重度の障害を持ちながら口で描く富弘さんの詩画は、彼の眼だからこそ見える美しい花と言葉の数々。その言葉からにじみでるやさしさは、生きる勇気と希望を与えてくれる。

 また、わかりやすい言い回しと素朴な書体で、当たり前のことをいいながら、心に突き刺さる説得力を持ち、多くのファンの心を捉えているみつをさん。

 我がブログでは、何度となく、このふたりの言葉を引用させていただいている。言葉の裏にある奥深さ、鋭い感性による心に響く珠玉の言の葉。ふたりには多くの共通点が見える。

 我がブログのサブタイトルにも使わせていただいている「一生感動・一生青春」は、みつをさんの言葉である。僕の愛読書でもあるふたりの作品展は、その繊細さと力強さに圧倒され、心洗われるひとときであった。



悲しみも苦しみもあって
私が私になってゆく

-富弘さん-




この世はわたしが
わたしになるところ

-みつをさん-