勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

自転車

2008-01-09 23:47:53 | Weblog
 狭くはないが、決して広くない歩道を歩いていた。後から声がかかった。
「おやじさん、左側を自転車が通りま~す」。ベルを鳴らさず、ゆっくりと一台の自転車が通り過ぎた。同年代の男性である。
 自転車のマナーの悪さが取り沙汰されている昨今、歩行者と自転車との衝突による死亡事故も少なくないという。通勤に買い物に、僕にとって生活必需品の自転車。歩行者や、自転車同士でぶつかりそうになったことも何度かある。狭い場所では、止まって道を譲っても、当然のごとく走り去る人もいれば、会釈をしたり、礼を言う人もいる。マナーも様々だが、自転車による罰則も厳しくなり、ベルの鳴らしかたひとつにも規制があるようだ。

 声をかけて通り過ぎた男性が、交差点で信号待ちをしていた。「貴方は人にやさしいんですね」と声をかけると、彼、「酔っ払いに怒鳴られたんだよ、『バカヤロー、ぶつかるな!』って。自分からぶつかって来たくせに」そう言って笑った。

 信号が変わると、横断歩道にはみ出して止まっているタクシーの前を、「運転手さん、前を自転車が通りますよ」と、大きな声を掛けながら走り去った。爽やかな風が吹きぬけたようで、心が温かくなった。

 僕にはこの真似は出来ないだろう。せめて心の中で言ってみよう。心でも言えば行動に現れるかも知れないから・・・♪