大泥棒の代表は、西の石川五右衛門、東のねずみ小僧次郎吉。二人とも実在の人物である。特に次郎吉は、人を傷つけず現金だけを盗み出し、貧しい人に施すことから、義賊としてその名を馳せた。
2007年、日本中に出没した盗人猛々しい『偽賊』がいた。あちらでもこちらでも「偽」を掲げ、騙した挙句のオジギビト。記者会見では、息子に言い訳を一言一言指示する鬼ばば偽賊。息子からたしなめられて真実を白状する、開き直り親父偽賊。年金と偽って、貧しい国民が将来のためにこつこつ預けたお金を返さない国家偽賊。
様々な偽賊がはびこった2007年は去ったが、ねずみ年の2008年、浅草に現れた義賊、ねずみ小僧次郎吉は、貧しい勿忘草に福沢諭吉さんを大勢連れてきてくれないだろうか。