3月からはシン・エヴァンゲリオン祭り。もう腐れ縁のようなもの。お布施のつもりで計3回鑑賞。
4月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:900
ナイス数:148
52ヘルツのクジラたち (単行本)の感想
読み終えて深い安堵感に包まれた。安堵じゃないかな?何だろうこの気持ち。自閉症の少年の初めて発した声が「生まれたての赤ん坊よりも儚い、弱々しい泣き声」とか、家族から嫌われ来客用のトイレに閉じ込められた生活とか、読みながらものすごい圧を感じる。これが作者の力量というものなのだろうか。中盤以降、主税が登場してからは休み休みじゃないと読めなかった。さすが納得の本屋大賞。読み終わってからずっとアタマの中でiriの「はじまりの日」が流れている。クジラが見たいと思った。
読了日:04月30日 著者:町田 そのこ
風のマジム (講談社文庫)の感想
マジムとは沖縄の言葉で「真心」のこと。そして主人公の名前でもある。平凡な日常に埋もれつつ、かと言って不満もない毎日にひらめいた「風のお酒」。東大東島のサトウキビからアグリコール製法で作られたラム酒の実話をモチーフとしたお仕事小説。酒類販売や醸造の知識が何もない派遣社員が自分の夢だけを追い求め、波のように押し寄せる幾多の困難を乗り越えて初出荷に至るまで。「ざわわ、ざわわ」という擬音がどこまでも広がるサトウキビ畑を思い起こさせる。東大東島に行ってみたい。
読了日:04月30日 著者:原田 マハ
流浪の月の感想
ロリコンの幼女誘拐事件が題材と聞いてちょっと躊躇してたけど全然違った。9歳で大好きだった両親を突然失い、親戚に預けられた先でそこの息子(中二男子)に性的に弄ばれる毎日。そこから脱出して過ごした「ふみ」との夢のような2か月間。ありそうだけれど現実にはない、そんな想像を掻き立てる純愛、というか分かち難い魂の補完計画だった。最後はハッピーエンド(仮)で精神衛生上よかったばい。デジタル・タトゥー、トネリコの木、カルマン症候群。タランティーノの「トゥルー・ロマンス」は今度観てみよう。
読了日:04月17日 著者:凪良 ゆう
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