CORRESPONDANCES

記述内容はすべてBruxellesに属します。情報を使用する場合は、必ずリンクと前もっての御連絡をお願いします。

人々の言うように

2015年06月03日 09時57分22秒 | Chansonを聞く You Tube

人々の言うように~戸川昌子
迂闊としかいえないが、この歌を日本人が日本語で歌っているとは知らなかった。しかも戸川昌子氏、美輪明宏氏はどうなんだろう?
アズナブールのこの曲、当然知ってはいたが、訳詩をするつもりも無かった。いくらシャンソンとは言っても日本社会では黙殺されるし、誰も歌わないし、話題にもならないと思っていた。つまりは戸川昌子という存在を忘れていたのだ。メロディーが単純なので、歌詞を噛みこなして歌える歌手でないと、日本人にはそぐわないと思っていた節もある。

この曲自体は取り上げた記憶がある。アズナブール以外にどんな歌手がカバーしているか、調べた記憶がある。Isabelle Boulayも歌っていた記憶がある。

ご本家のアズナブールで。
Comme ils disent/ As They say (Charles Aznavour)

パリに住んでいるとき、スイスから楽しいお友達がやってきた。KKとしておく。KKの彼氏はスイスの銀行家で、KKがパリに友達に会いに行くといったら、パリの歓楽観光のチケットを2枚、持たせてくれたようだった。お店はモンパルナスにあり、私は案内人として、Charles Aznavourの動画にあるような男たちの働く職場にKKを案内した。KKは視力2.0かと思うくらいに、人の動きやら表情から何事も識別できる目を持っていて、お店を素早く見つけたのもKKならば、働く人たちの私生活や、日常、そしてその心情などについても、一瞬一瞬をとらえて解説してくれた。書籍10冊分くらいのことをKKから学ぶことが出来た。おそらくこの種の世界、この種のお店は、直前のペイジのfilm解説にもあるように1920年代あたらから、ショービズのいちジャンルとして、確固たる地位を築いていたのだと思う。

「この歌を日本人が日本語で歌っているとは知らなかった」と書いたが、「戸川昌子という存在を忘れていたのだ」とも書いたが、実際のことを言い訳がましく言うと(今の日本のTVや芸能界を見ていると)Charles Aznavourのこの歌詞のこの哀愁は、今の日本では、もう何の意味も話題性も議論性も持ち得ない、と思っていたから「訳詩をするつもりも無かった」というのが正解だったと思う。抑圧の無いところでは、哀愁も、詩情もシャンソンも、もはや「お呼びでない」からだ。



最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。