夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

墓参 続き

2015-01-13 23:12:24 | 短歌
昨夜、岡山に帰ってくる新幹線の中で、亡き友人の墓参りに行ったことを歌にしてみた。
倉卒にしたためたものなので、表現も何も整ってはいないのだが…。

帰省せし夜に夢とも現(うつつ)ともなくしきりに亡き友が思ひ出されぬ
目覚めてより心にかかり思ひ立ちて父の車を借りて墓参す
去年(こぞ)の夏一度来しかば亡き友の墓の在り処(ど)はすぐに知られぬ
線香は忘れたれども北風の激しき今日はなくてよかりき
供花(くげ)はまだ萎れずにあり亡き友の母が近くに参りたるらし
花立てに清水を注ぐあたらしくわが持て来たる花を添へつつ
亡き友にわが近況を語らひぬ凍てつく北の風に吹かれて
呼びかくれど答へはなきを墓の下にわが訪れをいかに聞くらむ
彼岸頃また来むと約し立ち上がれば彼方に白き富士は見えたり
秩父嶺(ちちぶね)の彼方に白き雪の富士を亡き友よわれに見せたかりしか