夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

マイヤーリング(その1)

2014-02-21 23:54:29 | 映画

オードリー・ヘップバーン幻の主演作、という触れ込みに惹かれて見に行った。
「マイヤーリング」は、1957年にアメリカの放送局が製作したテレビ映画だが、当時のテレビは生放送であったため、長く幻の作品として名のみ伝えられてきた。
ところが昨年、当時のテレビ録画技術で保存されたマスターが、最新のデジタル技術で蘇り、オードリーの没後20年を経て「新作」として公開されることになったのだ。
19世紀にオーストリア皇太子ルドルフが、男爵令嬢マリーと謎の情死を遂げた「マイヤーリング事件」を題材にした悲話である。

さわりだけあらすじ
1881年。当時のオーストリアは世界有数の強国だが、皇太子のルドルフ(メル・ファーラー)は奔放な性格で、自由主義者で反政府運動をしているセップスと付き合い、皇帝である父や、首相を悩ませていた。その年、ルドルフは父の決めた相手と結婚するが、
「こんな結婚、誰が祝える?」
と憮然たる表情でいた。


月日が過ぎ、7年目の結婚記念日を迎えるが、ルドルフは浮気が絶えず、妃からは偽りの愛と言われている。
そんなある日、友人とプラーター公園に遊びに行ったルドルフは、若く美しい女性が男たちに絡まれている現場に出会い、私の連れだと言って助けてやる。彼女はヴェッェア家の17歳の娘・マリー(オードリー・ヘップバーン)で、母と姉とはぐれ、一人になっていたのだった。ルドルフは、彼女の美しさと純粋さに魅かれ、好意を抱く。

後日、バレエ鑑賞のために訪れた歌劇場で、二人は偶然の再会を果たす。向かい合ったバルコニーから互いの姿に気付き、マリーは初めて、自分を助けてくれた男が皇太子その人であったことを知る。ルドルフはマリーに熱い視線を寄せ、微笑みかける。
その後、ルドルフからマリーに接近し、二人は宮殿内で密会するようになるが、妻子ある皇太子の不倫行為が許されるはずもなく、密会の事実を知った父帝や首相らが二人の仲を裂こうとする…。