表題の正式曲名は、セルゲイ・ラフマニノフ作曲<パガニーニの主題による狂詩曲>作品43、第18変奏:変ニ長調3/4拍子 Andante cantabile(1934)である。この狂詩曲は、ピアノ演奏を中心に25の変奏曲で構成される。オーケストラ演奏を背景に、ピアノ・コンチェルトのような趣きだ。特に第18変奏は独立した形で演奏される場合が多い。
ブラームスは、<パガニーニの主題による変奏曲>(1865年初演、イ短調、作品32)を作曲した。これは、ピアノ独奏曲で14の変奏から出来ている。
私が高校生の頃、NHKラジオ放送に「希望音楽会」と言う番組があって、内外の有名マエストロを毎週紹介し、彼等の演奏を聴かせてくれた。この時のテーマ音楽が<パガニーニのラプソディー>であった。
色々な映画の背景音楽に、この第18変奏が採用されている。その甘く切ない程に美しい旋律は、米映画<ある日どこかで(Somewhere in Time)>(1980)において最も効果的に用いられた。トリノ冬季五輪(2006)では、荒川静香さんがエキゼビションのアンコール演舞でこの曲に合わせつつ華麗な表現を行った。
「パガニーニの主題による狂詩曲」より第18変奏 (ラフマニノフ) 横内愛弓
ピアノ演奏は、横内愛弓さん。落ち着いて優れた演奏ですね。指の動きを分かるようにされているのが面白い。
さて、このラプソディーの全曲をオーケストラ伴奏付きで録音した興味深い動画がある。ピアニストが第1変奏部分について、演奏技巧や転調に関し説明している(~04:30)。第18変装が現れるのは、20:20 位から。全曲演奏すると、約25分を要する。
ピアニストの運指の様子を見ていると、この曲の演奏にはかなりの技量を要することが分かる。
Rachmaninov: Rhapsody on a Theme of Paganini - BBC Proms 2013 (Stephen Hough : Piano )
ピアニストは英国人のスティーヴン・ハフ(現在56歳)。伴奏はBBCオーケストラ。円形劇場で有名なロイヤル・アルバート・ホール(ロンドン)で録音されたようだ。
以前利用させていただいた動画には、「青い薔薇」の画像が合った。その時に記した文章をそのまま残しておきます。
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ところで「青い薔薇」はあり得ないものの代表なのだが、2004年に遺伝子組み換え技術によって、それが遂に実現した(Wikipediaによる)。それで、動画に用いられた青い薔薇はCG作品ではなく、実物と思われる。昨年から市場販売が許可されたと言うが、私は未だ現物を見ていない。どのような香りがするのであろうか。