鳩山代表と小澤幹事長の同時辞任を受けて、民主党では代表選を6月4日に行うようだが、仮に菅直人氏を党代表に選び首相とするなら、政治状況は何も変わらないと申し上げたい。菅氏は、鳩山連立内閣の重鎮であるから彼が首班になっても、首をすげ替えただけに終わるだろう。今は、人心一新の体制が求められているのだ。
国会会期を6月16日までとして、予定通り変えないならば、次期首相になる人物は衆議院を直ちに解散し、衆参・同日選挙に踏み切るのが当然である。首相の盥(たらい)回しは、かねて民主党が自民党に対して強く批判して来たではないか。国民は、下らない民主党内部のグループ抗争を冷たく見ている。世論が示した鳩山―小澤体制批判の根底には、民主党そのものへの不信感が横たわっている。
過去8ヶ月間、変転の激しい国際情勢に適切な対応をせず、補正予算を凍結して経済停滞、すなわち<鳩山不況>を生み出し、失業率が慢性的上昇したことは、自民党政権時代よりも閉塞感が著しい。菅氏は、副総理としてそれらに大きな責任があるのだ。これに加えて、普天間問題が炙(あぶ)り出した我が国の国家安全保障体制への不安を一体どう解決するのか。民主党が声高に宣伝する実現不可能なマニフェストに、最早国民が誑(たぶら)かされることは無いだろう。
だが、民主党党内からはニュー・リーダーが出そうも無い。民主党政権のままでは、普天間問題の打開はまず不可能。繰り返すが、普天間問題を一つの争点に衆参・同日選挙に踏み切り、有権者の冷静な判断を仰ぐべきた。
それにしても、鳩山辞任に関係するTV報道はお粗末の限りだ。この事態を招いた背景にある小沢幹事長の強権独裁の姿を、もっと冷静に追求して当然と思う。誰が涙を流したとか、鳩山首相が親指を立てた意味をクドクドと報道しても、何も生まれてこない。有権者を小馬鹿扱いにした内容としか言えない。
外国紙の方が、余程まともに日本政治の現状を捉えている。
【首相辞任】欧米主要紙が論評 「恥をさらさないような指導者を」
2010.6.3 20:38
鳩山由紀夫首相の辞任表明について、米欧の主要紙は3日付の社説で論評し、鳩山政権を批判的に総括する一方、次期政権に期待を寄せた。
◇
米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、約5年にわたった中曽根康弘、小泉純一郎の両氏を除けば、「日本の首相は忘れ去られやすく、実際に日本以外では瞬時に忘れ去られる」と、何度も繰り返される日本の短命政権の現状を憂慮。日本は「恥をさらさないような政治指導者を必要としている」と指摘した。
鳩山政権については、日米同盟の再考を主張しながら、結果的に「同盟の重要性を再発見する道程を歩んだ」と、皮肉混じりにその“成果”を取り上げた。
また、中国寄りの姿勢が米国との対等な関係を導き出すという政権の考えは「錯覚だった」と切り捨て、韓国哨戒艦撃沈事件が、なぜこうした政策を支持すべきでないかを日本国民に悟らせたとしている。
民主党に対しては、「一般受けは良いが、無責任な公約で権力の座にたどり着いた」と分析。日本は「最も重要なアジアでの同盟国」であり、後任の首相に「米国はより多くの成功を期待すべきである」と、つまずきがちだった日米関係の修復に期待を示した。(ワシントン 犬塚陽介)
英紙フィナンシャル・タイムズは、鳩山首相の辞任について「指導体制の弱さを解消することになる」と評価。次期首相の有力候補として特に菅直人副総理兼財務相の名前を挙げて、その指導力に期待を寄せた。
鳩山首相に関しては「おろおろしていて、独り言をつぶやいていた」と酷評。鳩山首相と小沢一郎・民主党幹事長の辞任について、「参院選を前に“闇将軍”と呼ばれる強力な選挙参謀の小沢氏を失う民主党、さらに日本にとっても、2人の辞任は災難のように見えるが、もう一つの可能性もある」と指摘した。
そして、郵政改革法案が今後、棚上げされる可能性にも触れ、「民主党は正しい指導者の下でおそらく再起動できる」と予想。財政再建のため消費税増税を検討する菅財務相が、橋本政権の厚相として薬害エイズ問題に取り組み有権者の支持を集めた点に注目し、「次の首相が、政策にこだわると有権者を納得させられたら、この政治笑劇も何か良いものを生むだろう」と締めくくった。(ロンドン 木村正人)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100603/amr1006032040012-n1.htm
国会会期を6月16日までとして、予定通り変えないならば、次期首相になる人物は衆議院を直ちに解散し、衆参・同日選挙に踏み切るのが当然である。首相の盥(たらい)回しは、かねて民主党が自民党に対して強く批判して来たではないか。国民は、下らない民主党内部のグループ抗争を冷たく見ている。世論が示した鳩山―小澤体制批判の根底には、民主党そのものへの不信感が横たわっている。
過去8ヶ月間、変転の激しい国際情勢に適切な対応をせず、補正予算を凍結して経済停滞、すなわち<鳩山不況>を生み出し、失業率が慢性的上昇したことは、自民党政権時代よりも閉塞感が著しい。菅氏は、副総理としてそれらに大きな責任があるのだ。これに加えて、普天間問題が炙(あぶ)り出した我が国の国家安全保障体制への不安を一体どう解決するのか。民主党が声高に宣伝する実現不可能なマニフェストに、最早国民が誑(たぶら)かされることは無いだろう。
だが、民主党党内からはニュー・リーダーが出そうも無い。民主党政権のままでは、普天間問題の打開はまず不可能。繰り返すが、普天間問題を一つの争点に衆参・同日選挙に踏み切り、有権者の冷静な判断を仰ぐべきた。
それにしても、鳩山辞任に関係するTV報道はお粗末の限りだ。この事態を招いた背景にある小沢幹事長の強権独裁の姿を、もっと冷静に追求して当然と思う。誰が涙を流したとか、鳩山首相が親指を立てた意味をクドクドと報道しても、何も生まれてこない。有権者を小馬鹿扱いにした内容としか言えない。
外国紙の方が、余程まともに日本政治の現状を捉えている。
【首相辞任】欧米主要紙が論評 「恥をさらさないような指導者を」
2010.6.3 20:38
鳩山由紀夫首相の辞任表明について、米欧の主要紙は3日付の社説で論評し、鳩山政権を批判的に総括する一方、次期政権に期待を寄せた。
◇
米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、約5年にわたった中曽根康弘、小泉純一郎の両氏を除けば、「日本の首相は忘れ去られやすく、実際に日本以外では瞬時に忘れ去られる」と、何度も繰り返される日本の短命政権の現状を憂慮。日本は「恥をさらさないような政治指導者を必要としている」と指摘した。
鳩山政権については、日米同盟の再考を主張しながら、結果的に「同盟の重要性を再発見する道程を歩んだ」と、皮肉混じりにその“成果”を取り上げた。
また、中国寄りの姿勢が米国との対等な関係を導き出すという政権の考えは「錯覚だった」と切り捨て、韓国哨戒艦撃沈事件が、なぜこうした政策を支持すべきでないかを日本国民に悟らせたとしている。
民主党に対しては、「一般受けは良いが、無責任な公約で権力の座にたどり着いた」と分析。日本は「最も重要なアジアでの同盟国」であり、後任の首相に「米国はより多くの成功を期待すべきである」と、つまずきがちだった日米関係の修復に期待を示した。(ワシントン 犬塚陽介)
英紙フィナンシャル・タイムズは、鳩山首相の辞任について「指導体制の弱さを解消することになる」と評価。次期首相の有力候補として特に菅直人副総理兼財務相の名前を挙げて、その指導力に期待を寄せた。
鳩山首相に関しては「おろおろしていて、独り言をつぶやいていた」と酷評。鳩山首相と小沢一郎・民主党幹事長の辞任について、「参院選を前に“闇将軍”と呼ばれる強力な選挙参謀の小沢氏を失う民主党、さらに日本にとっても、2人の辞任は災難のように見えるが、もう一つの可能性もある」と指摘した。
そして、郵政改革法案が今後、棚上げされる可能性にも触れ、「民主党は正しい指導者の下でおそらく再起動できる」と予想。財政再建のため消費税増税を検討する菅財務相が、橋本政権の厚相として薬害エイズ問題に取り組み有権者の支持を集めた点に注目し、「次の首相が、政策にこだわると有権者を納得させられたら、この政治笑劇も何か良いものを生むだろう」と締めくくった。(ロンドン 木村正人)
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100603/amr1006032040012-n1.htm
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