藤井財務大臣は健康を理由に辞任か？

　鳩山内閣の中で、最高齢の藤井裕久財務相（７７）が健康を理由に辞任するようだ。藤井氏は、大蔵官僚出身、細川内閣で大蔵大臣を務めたりしているから、鳩山政権の中では最も財務行政に詳しい存在。円高容認論者であり、財政再建を指向する旧タイプのエコノミストでもある。

　病名は良く分からないが、２００９年度第２次補正予算の組み替え、２０１０年度予算編成で消耗し、加えてＪＡＬ救済案の二転三転で、将に疲れ切ったのではないか。多分、後任は野田佳彦財務副大臣が昇格すると推測する。財務担当の重鎮が退場することで、鳩山内閣の財務司令塔は不在となる。

　藤井氏は、政治資金団体「改革国民会議」（新生党、新進党、旧小沢・自由党）の財務にも深く関与していたはずで、その時代の政治資金管理が不透明なままだ。２００３年に小沢・自由党が民主党へ合流した時、宙に浮いた政治資金額は、１３億円強とも言われる。

　合流後は、小沢氏と藤井氏の関係は疎遠になった。藤井氏は、財務相を辞任して、実質的に政界から引退するのかも知れない。だが、上記政治資金の行方に関しては、仮に藤井氏が実態を知っていたとしても、口を閉ざして墓場まで持って行くのだろう。

　時事通信によれば、

藤井財務相が辞意＝健康不安で、首相は慰留

　藤井裕久財務相（７７）は５日、首相官邸で鳩山由紀夫首相と会い、健康不安を理由に辞任したいとの意向を伝えた。これに対し、首相は「検査結果次第だが、これからも頑張ってほしい」と慰留した。政府関係者が明らかにした。藤井氏は昨年末から検査入院中で、通常国会乗り切りに不安を漏らしているとされる。「医師の判断を尊重する」とも語っており、辞意は固いとみられる。

　藤井氏が辞任すれば、昨年９月の鳩山政権発足以来、初の閣僚交代となる。１８日召集の通常国会で、首相が早期成立を目指す２００９年度第２次補正予算案や１０年度予算案の審議にも影響は必至。政権には大きな痛手となりそうだ。辞任した場合の後任には、野田佳彦財務副大臣の昇格や、仙谷由人行政刷新担当相の横滑りが取りざたされている。

　藤井氏の進退に関し、首相は５日夜、「これからも頑張っていただきたい。当然のことだ」と述べ、続投させる考えを強調した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

　ただ、民主党幹部は同日、「慰留しても予算案審議の途中で倒れたら、後任を選ぶまで１週間、審議がストップする」と指摘。その上で「予算を上げるのが財務相の最大の任務だ。それができなければ（政権に）大変な迷惑を掛ける」と述べ、医師の判断次第では辞任はやむを得ないとの考えを示した。
　
　藤井氏は５日午前と午後の２回にわたり、首相官邸で首相と健康問題をめぐり協議した。これについて、首相は記者団に「検査入院していて、医者からの最終判断はまだだという報告を受けた」と説明。「医者の判断もまだという中で、（進退の）結論を出す必要はない」と語った。藤井氏周辺によると、検査結果は今週末に出る見通しだという。

　一方、藤井氏は首相との会談後の記者会見で、医師の判断に従う考えを伝えたことを明らかにした。自身の体調に関し「相当疲れた」としながらも、進退については「仮定の問題には答えない」と言及を避けた。

　藤井氏は１０年度予算編成作業で疲労が蓄積し、血圧も高かったとして、昨年１２月２８日から都内の病院に検査入院している。藤井氏は旧自由党出身。衆院比例南関東ブロック選出で、当選７回、参院２回。鳩山内閣では最高齢。（2010/01/05-21:49）
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol&k=2010010500901