陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

世界各国の為政者選挙

2007-01-03 00:36:46 | 米国関係
 日本のマスコミは、夏の参議院選予想に熱心だが、今年は日本と関係のある各国で下記のように為政者選挙が行われる。特に来年に向けて、様々な動きがある故、注目が必要だ。

 フランスは、元々政治的に対日感情の冷たい国柄だから、誰が大統領になってもさほど気にならないし、対日外交の基軸は変わらないだろう*)。が、ラファイエット事件(台湾・艦船輸出汚職)が大統領選に大きな陰を落とすと思う。この国の次期大統領は、国内のイスラム教徒の処遇や不法滞在者問題に暫く悩まされるのではないか。

 英国の場合、今後の我が国との連帯もあるので後継者が誰になるのか気になる所だ。次期首相は米国との連携を維持するであろうか。私は、EU寄りの姿勢を強めるように予想するのであるけれども。

 韓国大統領選では、与党ウリ党の分裂確定だから、野党ハンナラ党から大統領が出るだろう。新大統領は、北朝鮮政策をどう定めるのか、また、対米、対日外交はどう変わるのか要注意である。私は、ハンナラ党から大統領が出ても、竹島問題は現状のままで推移するし、韓国から北朝鮮への援助は続くと想像する。

 六カ国協議は繰り返し行われるだろうが、エンドレスに続くので我が国は参加するだけにした方が良い。金正日に核放棄させたいなら、中共が食糧とエネルギー供給を止めるのが最も効果大である。それをやらずにいる事は、中共として金正日を離したくないのだ。拉致問題解決は、六カ国協議では到底無理である。過大な期待をする事無く、北朝鮮へは経済制裁を更に強化する方が有力だ。

 2007年 4月  フランス大統領選挙
 2007年 7月  参議院選挙(半数改選)
 2007年秋    ブレア英首相、退任予定
 2007年12月  韓国大統領選挙(就任は翌年)

 2008年は、日本にとっても関係の深い各国国家責任者が交代する重要な年である。また、話題の北京オリンピックが行われる(と予想)。

 2008年 2月  台湾総統選挙
 2008年 3月  ロシア大統領選挙
 2008年 8月  (北京オリンピック)
 2008年11月  米国大統領選挙(就任は翌年)
 2009年 6月  イラン大統領選挙

 陳水扁現総統は、スキャンダル問題があっても任期満了で交代するだろうが、後継に台湾人(民進党)が選ばれるのか、大陸人(国民党)になるのか。それで台湾は中共との接近具合を変えるであろう。これは、我が国に極めて大きな影響がある。台湾問題は、尖閣諸島の領有と連動する。仮に国民党政権になったとして、安倍政権はシーレーンの問題をどうするだろうか。

 総統選挙前に、中共が台湾へ再び軍事攻勢を掛ける時、任期が限られるブッシュ大統領はどう出るか。北京オリンピックを控えて無理な事は出来ないと思うが、中共の事であるから何らかの圧力をかけるに違いない。

 ロシアは、大統領が交代しても対日観は変わらないだろうし、積極的に外交を進めるべき相手国家では無い。暫く様子を見る方が得策。

 さて、米国大統領選挙であるが、現状は水口章氏のブログ、国際・社会の未来へのまなざしで知る事ができる。このままで推移すれば、米国大統領選でヒラリー・クリントン夫人(民主党)が選ばれ、以後日米関係は冷え込むと予想される。そうなれば、逆に米中の接近が進み、米国は極東地域の支配を中共へ任せるようになるかも知れぬ。クリントン夫妻は中共との親密度が高く、夫人の外交関心は中東とイスラエルにある。日本の対米外交手腕が問われる所であろう。この1ー2年の各国為政者選挙で日本にとって最大の焦点は米国大統領選挙である。

 外務省は国連常任理事国などに色気を出さないで、我が国のシーレーンに位置する関係国とより深い交流を進めるべきだ。常任理事国云々は、改憲後で良い。万一、今年中東戦争が起きれば、我が国は原油碓保先を変えることを迫られる。また、石油備蓄は充分なのだろうか。

 台湾総統選挙と北京オリンピック、そして米国大統領選挙を意識し、国内の些末な問題にこだわる事無く、我が国の国家安全保障体制拡充へ向けて政治家は着実に動いて欲しい。その第一歩が改憲への行動である。

(参考)

*) サルコジ内相とロワイヤル女史の一騎討ちへ―仏大統領選
 【パリ1日安倍雅信】フランスの最大与党・国民運動連合(UMP)は31日、同党が定めた年末までに、今春行われる大統領選挙に立候補を希望したのは、ニコラ・サルコジUMP総裁(仏内相・51)ただ1人であることを明らかにした。その結果、サルコジ氏は、社会党指名候補セゴレーヌ・ロワイヤル元環境相(53)と一騎討ちになる公算が高まった。

 UMPは今月14日に党大会を開き、指名候補者を決める予定だったが、複数候補者がいないため、党大会でサルコジ氏が正式な指名候補者として公表される。サルコジ氏は2002年、シラク仏大統領の2期目の政権で、副首相格の内相に就任以来、露骨なほど大統領ポストを目指す野心を表し、時にはシラク大統領と対立してきた。

 1995年の大統領選挙で、シラク氏と同じ党から立候補したバラデュール仏首相(当時)を推し、シラク氏が大統領に就任以来、数年間、干される経験もある。サルコジ氏は、弁舌が立つだけでなく、政策立案能力と実行力で国民の支持を集め、内相就任以来、懸案事項となっていた治安回復で政治手腕を発揮し、人気を高めてきた。

 シラク大統領は恒例の年末31日のテレビ演説では、引退表明を明確にしなかったが、3期目への出馬の可能性は薄い。74歳という高齡の他、支持率も低く、求心力が衰えていることは否定できない。また、社会党から人気の高い女性候補ロワイヤル氏が出馬することから、保守陣営としては、サルコジ氏しか互角に戦えないとの見方が強い。

 ハンガリー移民の両親を持つサルコジ氏は、エネルギッシュな政治家として知られ、この5年間で、2度内相を務め、一度財務相を務めた。フランスのケネディと称され、アメリカ的政治スタイルには賛否両論がある。サルコジ氏は、ロワイヤル女史に対して「中身の空っぽの政治家」と攻撃的姿勢を見せている。大統領選第1回投票は4月22日に行われる予定だ。

2007/1/1 20:43 世界日報
http://www.worldtimes.co.jp/news/world/kiji/070101-204313.html

 
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