残すところ、11日間に迫った米国大統領選、米国マスコミの多くはオバマ候補(民主党)の支持を表明し、世論調査もオバマ氏リードの情勢になっている。
RealClearPolitics のデータを見る限りでは、その差が益々開いて行くように見える。
米国人有権者にとって、金融危機で家を失い、職を失うニュースが流れる中、小ブッシュ政権=共和党政権はもう厭だと言う強迫観念が横溢しているのだろう。大手マスコミがオバマ氏に付いたのは、国際金融資本もオバマ氏側に移ったと言う事かも知れぬ。
そして、更にマケイン候補が不利になる状況が出現した。コリン・パウエル前国務長官が三大ネットワークの一つ、NBCの番組でオバマ氏支持を表明したのだ。産経新聞によると、
【米大統領選】共和党に広がるパウエル・ショック
2008.10.20 19:46
【ワシントン=有元隆志】ブッシュ米政権の第1期で国務長官を務めたコリン・パウエル氏が、19日のNBCのテレビ番組で民主党の大統領候補、オバマ上院議員への支持を表明したことは、最終盤を迎えている選挙戦に一定の影響を与えることが予想される。オバマ陣営は歓迎の意向を直ちに表明したのに対し、共和党候補のマケイン上院議員は打撃を最小限にとどめたい考えだ。
オバマ氏は番組出演後のパウエル氏にただちに電話し、謝意を伝えた。オバマ氏はノースカロライナ州での講演で、さっそくパウエル氏の支持表明を取り上げ、「偉大な兵士であり偉大な政治家(パウエル氏)が米国の変革のため、われわれを支持した。非常に光栄なことだ」と述べ、歓迎の意向を表明した。
そのうえでオバマ氏は、「パウエル氏は今こそ世代を超え、人種を超え、党派を超え、1つの国家として団結しなければならないということを知っている」と強調し、支持表明の意義の大きさをアピールした。
共和党内には、「パウエル・ショック」(同党関係者)が広がっている。ギングリッチ元下院議長はABCテレビの番組で、統合参謀本部議長や国務長官を歴任したパウエル氏の支持表明に対し、オバマ氏の外交・安全保障分野での「経験に関する議論を解消してしまうだろう」と語った。
マケイン氏は討論会などで、オバマ氏の外交安保での経験不足を集中的に取り上げ、最高指揮官である大統領となるにはふさわしくないと攻撃してきた。
当のマケイン氏はFOXテレビの番組で、「パウエル・ショック」が選挙戦に与えるダメージを抑えようと、自らも「(キッシンジャー元国務長官やベーカー元国務長官ら)4人の元国務長官と200人以上の退役軍人から支持を受けている」と強調した。パウエル氏については「彼を常に尊敬してきたし、長年の友人だ。驚きはしない」と述べるにとどまった。
一方、パウエル氏から「いざというときに大統領になる準備ができていない」と批判された副大統領候補のペイリン・アラスカ州知事は、ニューヨークのテレビ番組で、「同意しかねる。私は行政の経験があるだけでなく、マケイン氏と考え方を共有している」と反論した。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/081020/amr0810201946005-n1.htm
パウエル氏は、統合参謀本部議長(陸軍大将)にまで昇った輝かしい軍歴を持つが、ウェスト・ポイント陸軍士官学校の卒業ではなく、ニューヨーク市立大学を卒業(1954)して職業軍人になった異色の人材である。ベトナム戦争に従軍し、2度負傷した勇士でもある。両親は、ジャマイカ系黒人でニューヨーク市生まれ。
レーガン政権では、国家安全保障担当補佐官、大ブッシュ政権では統合参謀本部議長として「湾岸戦争」を指導、これを勝利に導いて米国民から絶賛された。1996年の大統領選挙では、共和党候補に推挙されたが、妻のアドバイスでこれを断念する。
小ブッシュ政権前期には、国務長官に就任、海兵隊出身のリチャード・アーミティージ国務副長官と共に、国連指向の穏健派外交を展開した。彼の在任中に「イラク戦争」(2003年3月)が起きている。2005年に国務長官を辞任して、コンドリーザ・ライス氏へ引き継いだ。以上部分的に Wikipedia を参照した。
「パウエル・ドクトリン」と言われる内容は、出来るだけ戦争を避けるが、いざやるとなったら圧倒的な兵力を持って敵を威圧、殲滅すると言う合理的なものであり、戦争効率重視のネオコン・グループとは意見が合わなかったであろう。
マケイン候補とは、長い付き合いから共通の意見を持つ事が多かったが、ペイリン副大統領候補には極めて批判的である。それが今回のオバマ候補支持に繋がったのかも知れない。
輝かしい歴戦の勇士として知られるパウエル氏は、その穏健な人柄のためか人種を越えて米国人からの評価が高い。マケイン候補にしてみれば、本音はまずいなと言うところであろう。
RealClearPolitics のデータを見る限りでは、その差が益々開いて行くように見える。
米国人有権者にとって、金融危機で家を失い、職を失うニュースが流れる中、小ブッシュ政権=共和党政権はもう厭だと言う強迫観念が横溢しているのだろう。大手マスコミがオバマ氏に付いたのは、国際金融資本もオバマ氏側に移ったと言う事かも知れぬ。
そして、更にマケイン候補が不利になる状況が出現した。コリン・パウエル前国務長官が三大ネットワークの一つ、NBCの番組でオバマ氏支持を表明したのだ。産経新聞によると、
【米大統領選】共和党に広がるパウエル・ショック
2008.10.20 19:46
【ワシントン=有元隆志】ブッシュ米政権の第1期で国務長官を務めたコリン・パウエル氏が、19日のNBCのテレビ番組で民主党の大統領候補、オバマ上院議員への支持を表明したことは、最終盤を迎えている選挙戦に一定の影響を与えることが予想される。オバマ陣営は歓迎の意向を直ちに表明したのに対し、共和党候補のマケイン上院議員は打撃を最小限にとどめたい考えだ。
オバマ氏は番組出演後のパウエル氏にただちに電話し、謝意を伝えた。オバマ氏はノースカロライナ州での講演で、さっそくパウエル氏の支持表明を取り上げ、「偉大な兵士であり偉大な政治家(パウエル氏)が米国の変革のため、われわれを支持した。非常に光栄なことだ」と述べ、歓迎の意向を表明した。
そのうえでオバマ氏は、「パウエル氏は今こそ世代を超え、人種を超え、党派を超え、1つの国家として団結しなければならないということを知っている」と強調し、支持表明の意義の大きさをアピールした。
共和党内には、「パウエル・ショック」(同党関係者)が広がっている。ギングリッチ元下院議長はABCテレビの番組で、統合参謀本部議長や国務長官を歴任したパウエル氏の支持表明に対し、オバマ氏の外交・安全保障分野での「経験に関する議論を解消してしまうだろう」と語った。
マケイン氏は討論会などで、オバマ氏の外交安保での経験不足を集中的に取り上げ、最高指揮官である大統領となるにはふさわしくないと攻撃してきた。
当のマケイン氏はFOXテレビの番組で、「パウエル・ショック」が選挙戦に与えるダメージを抑えようと、自らも「(キッシンジャー元国務長官やベーカー元国務長官ら)4人の元国務長官と200人以上の退役軍人から支持を受けている」と強調した。パウエル氏については「彼を常に尊敬してきたし、長年の友人だ。驚きはしない」と述べるにとどまった。
一方、パウエル氏から「いざというときに大統領になる準備ができていない」と批判された副大統領候補のペイリン・アラスカ州知事は、ニューヨークのテレビ番組で、「同意しかねる。私は行政の経験があるだけでなく、マケイン氏と考え方を共有している」と反論した。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/081020/amr0810201946005-n1.htm
パウエル氏は、統合参謀本部議長(陸軍大将)にまで昇った輝かしい軍歴を持つが、ウェスト・ポイント陸軍士官学校の卒業ではなく、ニューヨーク市立大学を卒業(1954)して職業軍人になった異色の人材である。ベトナム戦争に従軍し、2度負傷した勇士でもある。両親は、ジャマイカ系黒人でニューヨーク市生まれ。
レーガン政権では、国家安全保障担当補佐官、大ブッシュ政権では統合参謀本部議長として「湾岸戦争」を指導、これを勝利に導いて米国民から絶賛された。1996年の大統領選挙では、共和党候補に推挙されたが、妻のアドバイスでこれを断念する。
小ブッシュ政権前期には、国務長官に就任、海兵隊出身のリチャード・アーミティージ国務副長官と共に、国連指向の穏健派外交を展開した。彼の在任中に「イラク戦争」(2003年3月)が起きている。2005年に国務長官を辞任して、コンドリーザ・ライス氏へ引き継いだ。以上部分的に Wikipedia を参照した。
「パウエル・ドクトリン」と言われる内容は、出来るだけ戦争を避けるが、いざやるとなったら圧倒的な兵力を持って敵を威圧、殲滅すると言う合理的なものであり、戦争効率重視のネオコン・グループとは意見が合わなかったであろう。
マケイン候補とは、長い付き合いから共通の意見を持つ事が多かったが、ペイリン副大統領候補には極めて批判的である。それが今回のオバマ候補支持に繋がったのかも知れない。
輝かしい歴戦の勇士として知られるパウエル氏は、その穏健な人柄のためか人種を越えて米国人からの評価が高い。マケイン候補にしてみれば、本音はまずいなと言うところであろう。
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