コキュートスの記憶

日々の出来事とか戦果(買い物)とか。
主にガンダムを中心にしています。

エニグマ始動 part3

2014年06月17日 | ゲームブック
172:
キミは丘を登り始めた。斜面はかなり急で、四つん這いにならないと
ひっくり返ってしまいそうだ。頂上近くに小さな地滑りの跡があった。
深く抉られた斜面に樹々が根を晒して転がり、頂上を走る道路のアス
ファルトがその上に突き出している。
丘の上には公園が広がっていた。古びたオベリスクがドニエプル川の
方向を背にして建っている。碑銘はもう磨り減ってしまい、ほとんど
読み取れないが、確か前世紀の第2次大戦における戦死者たちの眠る
墓だった筈だ。
市街地の方に目を転じる。ここからだと市内の様子が手に取るように
判る。緑の都キエフは美しかった。しかし、そこここに砲爆撃の跡が
灰色の傷口を晒している。市内に入る街道は敗残兵の列で埋められ、
建物の窓は総て破られていた。
─ミディは…
キミはキエフ市の地図と眼下の景色を重ねてみる。
─司令部か、宿舎…
ジオンの連中が接収して腰を落ち着ける気になりそうな建物…。ホテ
ル?大学もあったな。
西から北へ視線を移して行ったキミは、そこで目を止めた。前方の丘
の梺にあるホテルの窓から薄い煙の帯がたなびき出ていた。
火事の煙ではない。前線が突破されたのを知った司令部が慌てて機密
書類の命令書を焼き棄てているのだ。あそこに司令部がある。恐らく、
ミディも。
ホテル・ドニエプルだったな。ホテルの名を思い出したついでに、こ
の公園の名が頭を掠める。不滅の栄光の公園。訪れる者が平和への祈
りを捧げたであろう聖なる墓地。
※重要なヒント:207
・川岸の緑地帯伝いに向かう:145
・キーロフ通りに出て向かう:058

058:
キーロフ通りに降りて行ったキミは騒動にぶつかった。市内に逃げ込
んで来た敗残兵たちに5人のMPが銃を向けている。
「前線に戻れ!敵前逃亡は銃殺だぞ!」
MPが怒鳴るが敗残兵たちは動こうとしない。敵意の隠った目でジッ
とMPを睨みつけている。
突然、銃声が響いた。全員が音のした方を振り返る。短機関銃を構え
たMPの前に兵士が倒れている。逃げようとして撃たれたのだろう。
「繰り返す!前線に戻れ!逃げる者はジオン兵ではない、射殺する!」
キミの正面に立ったMPがヒステリックに喚いた。
・右の公園に逃げ込む:108
・左の市街地に逃げ込む:051
・敗残兵たちを煽り、MPを片づける:020

108:
キミは横にいた男の腕を掴み、力任せに突き飛ばした。可哀想な男は
正面のMPと衝突し、折り重なって倒れる。
「なっ、何を!」
手足をばたつかせる2人にMPたちの注意が向いた隙に、キミは脱兎
の如く駆け出した。2秒程も遅れて銃声が迫って来たが、キミは既に
公園の森の中だった。
追っ手がいないことを確かめて一息つく。樹々の梢の間から緑の丘が
見えた。全体に高台の上にあるキエフ市の中でも一段高いウラジーミ
ルの丘だ。森伝いにそちらへ向かう。
暫く歩くと森が尽きてしまった大通りに出ることは避け、人通りの少
ない路地を歩いて行ったキミは、4本の通りが交わる広場に出た。
・その広場に面してホテル・ドニエプルが建っている:079

てとこで次回に続きます。
いよいよミディと対面いたします。

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