コキュートスの記憶

日々の出来事とか戦果(買い物)とか。
主にガンダムを中心にしています。

シャアの帰還 part21

2015年05月26日 | ゲームブック
093:
「いかんな…。予想以上に強力だ!」
 東京で戦った時より、ユマのニュータイプ指数が高くなっているのか?
「将軍、これは…」
 言いかけて、私はギョッとした。
 ダンジダンの姿がブリッジから消えている。
 私は近くの兵士を掴まえて尋ねた。
「ダンジダン将軍は、どこだ!?」
「大将なら、後部甲板へ…」
「何ぃ…まさか!?」

284:
「ダンジダン、ザクⅢ出るっ」
 ブリッジの音声回路に、太い声が響き渡った。
「バカなっ!あんな潰れかけのMSで出るなどっ!」
 余りに無謀だ。何とかして止めさせなければ。
・インカムで呼びかける:081
・自分もMSで出る:310

081:
「貸せ!」
 私はオペレーターのインカムを奪うと、怒鳴った。
「将軍、どう言うつもりだ!引き返せ!ノクチュルヌはザクⅢの適う相
手ではないっ!」
 モニターに、ダンジダンの顔が映っていた。
 彼はニヤッと笑うと、挙手の礼をして見せる。
 ブラックアウトする画面。オペレーターが言った。
「ダメです。回線を切られました」
「…くっ!」

377:
「ザクⅢが出たぁ」
 ブリッジオペレーターが叫ぶ。
「化物に向かい、一直線に突っ込んで行くぞ!」
「何と言うことだっ」
 私は歯ぎしりをして怒鳴った。
「誰も将軍がMSデッキに行くのを、止められなかったと言うのか!」
「誰も大将を止めることは出来ん!!」
 ひとりの兵士が言った。声に聞き覚えがある。
「ニコルソン大尉か。何故だ?」
「…大将はそう言うお人だ…」
 ブリッジの全員の眼が、その言葉を肯定していた。
 彼らは自分の主導者を信じていた。それこそ愚かなまでに。
 だが、私はそうは行かぬ。現在、あの男には死んで欲しくないのだ!
・自分もMSで出る:310
・弾幕を張り、掩護する:243

310:
 私はMSデッキへと走った。機体を整備しているメカマンたちに尋ね
る。
「真面に動くMSがあるのか?」
「乗るだけなら、どれでも乗れます。が、完璧なモノとなると…」
「何だ、早く言え」
「キュベレイが1機、あることはあるんですが…」
「何故、それを早く言わない!」
「…こいつは特殊任務用のモノを拾って来て弄くったモノでして、カー
ドキーがないと動かんのです!」
「ならば、キーを寄越せ!!」
「それが最初っから無かったんですよ」
 何と言うことだ。ノクチュルヌと互角に戦えるかも知れぬ機体があり
ながら、乗ることが出来ないとは─!
・カードキーを持っている:003
・持っていない:161

003:
 私はふと、難民の子供がくれたカードのことを思い出した。
「まさかとは思うが─」
 カードを出して見せると、メカマンは眼を丸くした。
「コレですよ。コレがあれば、大丈夫。アイツは動きます!しかし、さ
すがはシャア大佐ですな」
「いや、たまたま運が良かったのだ。それよりも出るぞ!」
「運も実力のうちですよ」
 私は急ぎキュベレイに乗り込んだ。
 AMX-017量産型キュベレイ
「こいつはどうも、女物のようで乗りづらいが…」
 私は独り言ちた。が、コレならきっとアレを墜とせる…。
(それが、ユカへの私からの手向けだ)
 私は怒鳴った。
「シャア=アズナブル出るっ。ハッチを開けろ!!」

026:
 私はMSに加速をかけた。しかし、追いつかない。やむなく、ザクⅢ
に無線で怒鳴った。
「将軍、貴公の相手ではない!退がれっ!私が出る!」
「強がりは言うな!!」
 落ち着いた声が響いた。
「貴様、シャア=アズナブルであろうが?シャアには、やるべきことが
あった筈だぞ。ミネバ様を奉じ、ジオンを率いることの出来る、唯ひと
りの男。それがシャア=アズナブルだ。儂はそう信じておる」
「だからと言って、貴公があたら命を捨てに行くことはない筈だっ!」
「いい加減にしろ」
 ダンジダンは言った。が、それは怒声ではない。
「貴様、儂を舐めておるな。儂は元ジオン軍少将、ダンジダン=ポジド
ンだぞ」
 ザクⅢの機体に加速がかかった。
「なぁ、シャア=アズナブル。儂はジークジオンという言葉は、ザビ家
のためにあるのではないと思うていたよ」
「…」

374:
「シャア、インエクセスの連中のこと、頼んだぞ!」
 ダンジダンが怒鳴った。
 接近するノクチュルヌ。拡散して収束するファンネル。ザクⅢの撃ち
まくるビームライフルがノクチュルヌのバインダーにパチパチと弾け、
流星となって四方に流れた。
「ジィィークジォォーン!!」
 ダンジダンの絶叫が虚空に散った。
・尚も追いかける:330
・後退する:172

ダンジダンが戦死したとこで、次回に続きます。

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