□風魔の小次郎外伝 飛鳥無明帖
死国の章〈参ノ巻〉【石積】
死国の章〈参ノ巻〉【石積】

第参乃寺・病門寺を訪ねる武蔵は、長着姿の少女に道を訊ねます。
少女は、石畳に炭の欠片で、さまざまな妖怪の絵を描いていました。
武蔵が何の絵かと訊ねると、少女は、おまえを取り殺す絵だと答えます。
すると、周囲の絵が浮かび上がり、百鬼夜行が武蔵に襲い掛かります。
武蔵は、黄金剣で、百鬼たちを振り払おうとしますが、効果が無く、
気が付くと、武蔵は、賽の河原のような場所で、目を醒まします。
武蔵は、妹の絵里奈が石を積んでは、鬼に崩される場面に遭遇し、
声を掛けようとしますが、百鬼曰く、生者の声は届かないとのこと。
武蔵は、死にたくて死ぬ幼子がどこにいる。皆生きたくても仕方なく、
死んで行ったのだ。それをこんな場所で、石積みを繰り返させるとは、
神仏などクソくらえだと激昂し、絵里奈が両親、そして、兄のために
石を積む姿を見て、飛龍覇皇剣で、周囲の百鬼を討ち祓います。
瞬間、武蔵は、元いた石畳の場所に戻り、剣撃が円を描いていました。
長着の少女が武蔵に、おにいちゃん、どうかしたの?と声を掛けます。
少女が描いていた絵は、妖怪ではなく、小動物に変わっていました。
武蔵は、少女の案内で、病門寺に向かうことになります。
ややあって。
石畳の下から地虫のチャンザと名乗る残党が現れ、力尽きます。
件の白装束の人物は、これで四識が虚となったとし、次の死門寺こそ、
まさしく、武蔵の最後の門となるのだと、独り言ちます。