現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

児童文学における作品内の創作物について

2016-10-28 09:07:49 | 考察
 児童文学の作品の中で、作中作として、いろいろな創作物が扱われることがあります。
 例えば、児童文学の世界では怪談や妖怪物が人気があるので、リアリズムの作品においても怪談が話されたり、肝試しの形で扱われることがあります。
 しかし、それらの多くは、小手先の安易な話だったり、すでにどこかで語られているようなものの再利用だったり、ひどい時はたんなる伝聞で具体性がなかったりすることすらあります。
 やはり、どうせ怪談を出すなら、それだけでも十分に作品として通用するようなものを書いてほしいものです。
 また、ひとつのお話とまではいかなくても、作品中に、コント、ものまね、一発芸、ギャグなどが出てくるシーン(例えば、かくし芸大会やお楽しみ会など)があります。
 この場合も、すべてオリジナルをとはいいませんが、一つか二つぐらいは子どもたちに受けるようなものを創作する必要があります。
 また、既存のものを利用する時には、これらの寿命は一般に本よりも短いので注意する必要があります。

学校の怪談(1) (講談社KK文庫)
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講談社
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ベホマののろい

2016-10-28 08:42:36 | キンドル本
 主人公の学校では、バトルえんぴつ(バトえん)を使った戦いがはやっています。
 バトルえんぴつとは、六角鉛筆の各面に、攻撃や防御の数字が書いてあって、それで戦う遊びです。
 ある日、主人公は、最強のバトルえんぴつ、魔法使いベホマを手に入れます。
 ベホマは、ほとんど手に入らないので幻のバトえんとも呼ばれています。
 しかし、主人公の弟の不注意で、ベホマをなくしてしまいます。
 ベホマをなくすと、その持ち主にはのろいがかかって、ベホマにさらわれるという噂がひろがっています。
 案の定、主人公とその弟には、不運なことが次々に起こります。
 いよいよベロマが、主人公たちをさらう日がやってきました。
 友だちみんなが、友情を発揮して、団結して主人公たちを守ろうとします。
 はたして、彼らに勝利はおとずれるでしょうか?
 また、最後に残された謎とは?

 (下のバナーをクリックすると、スマホやタブレット端末やパソコンやKindle Unlimitedで読めます)。


ベホマののろい
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動物ファンタジーの書き方

2016-10-28 08:38:21 | 考察
 児童文学の世界では、動物を主人公にしたファンタジーが、ケネス・グレアムの「楽しい川辺」以来、いろいろな形で書かれています。
 動物ファンタジーは、日常世界と不思議な世界(動物が口をきく、洋服を着ているなど)が混在したエブリデイマジックの世界で描かれることが多いです。
 その際には、日常世界と不思議な世界の境界をどうするかに、注意を払わなければなりません。
 前出の「楽しい川辺」でも、そのあたりがあいまいになっていて、矛盾と思われる部分もありました。
 もっとも、この作品の場合は、それ以外にたくさんの優れた点(動物ファンタジーのスタイルの確立、ヒキガエル、カワネズミ、モグラ、アナグマ、カワウソなどの個性的なキャラクターの創出、優れた詩的文章、森やその周辺の自然描写など)があり、その程度の瑕瑾は問題になりませんが。
 実際に創作する場合には、登場する動物たちの擬人化度も問題になります。
 動物たちがイギリス紳士そのものの「楽しい川辺」から、知性を除くと生態が野生のうさぎそのもののリチャード・アダムスの「ウォーターシップダウンのうさぎたち」まで、さまざまな擬人化の度合がありますが、作品のテーマやモチーフに合わせて慎重に選択しなければなりません。
 また、登場する動物も既存のイメージ(例えば、狐はずるい、犬は忠実、熊はお人よし、ヤギは紙を食べるなど)に寄りかかった書き方は避けるべきでしょう。

ゲームシナリオのためのファンタジー物語事典: 知っておきたい神話・古典・お約束110 (NEXT CREATOR)
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SBクリエイティブ
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