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現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

桜木紫乃「バブルバス」ホテルローヤル所収

2016-10-09 09:00:55 | 参考文献
 姑の新盆の日に、お坊さんにすっぽかされたために浮いたお布施の五千円で、夫とラブホテルへ行く主婦の話です。
 狭いアパートに、成績不良の中学生の息子と、不登校の小学生の娘と、急に同居してきた舅を抱えて、四苦八苦している彼女ですが、安い給料で家電量販店でこき使われている夫をいたわる優しい気持ちはなくしていません。
 自分たちの寝室のない夫婦が、ラブホテルで束の間の逢瀬を営む様子が、とてもいじらしくて共感が持てます。
 官能的なシーンもあるのですが、人生の悲哀やささやかな幸福の方が大きく描かれています。
 桜木は、性愛小説に人生の機微を描くという新ジャンルを開拓したようです。
 児童文学の世界でも、子どもと大人の共生を描きながら人生の哀歓を描いて、子どもにも大人にも読めるような作品には、大きな可能性があると思われます。

ホテルローヤル
クリエーター情報なし
集英社
 
コメント
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