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蓋を開けないで@「ジゼル」








珍しく映画館で映画を見た。

ボリショイ・バレエからの生中継、スヴェトラーナ・ザハロワ(Svetlana Zakharova)の「ジゼル」。


スヴェトラーナはやはり別格だった。
小さな頭(顎から頭の先までのサイズが、手首の中央から中指の先までと同じ?!)、ありえないほど細長い首と細長い手足、それだけでも恵まれているのに、あの技術と優美さ。表現力は、特に彼女は「影のある暗い女」を踊ると天下一品だ。

彼女が舞台に登場しただけで(しかも生ではなく、生中継ですよ?)、涙が腹の辺りから湧いてきて毛穴から漏れそうな気がしたほどだった。

なぜか? 「ジゼル」は数え切れないほど見たことがあるので、音楽も振り付けも予測ができる。それがワクワクの元だ。しかしその予測は必ずよい意味で裏切られる、これに感動するのだ。


終わってからは感情の蓋が開いたようになり、夫に八つ当たりしてしまった。

ジゼルには怒りと不満、許しや愛などの感情があると思うのだが、わたしの場合、怒りと不満がドバーッとあふれ出てきたのだ。ああ、なぜ許しと愛の方があふれ出ないのだ?
感情の蓋が開いたとき、ネガティブな感情よりもポジティブな感情のほうが溢れ出る、そんな人になりたいもんですな。

スヴェトラーナのジゼルはそれほどの「何か」だったのだ。
まさにまさにまさにーっ! 当代一のバレエの女神。


アルブレヒトのセルゲイ・ポルーニンも素晴らしかった。彼、頑張ってバレエに取り組んでいるのですね...


(写真はwww.teatroallascala.orgより)
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