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Brugge Style
おとなげ
車を、いつでも好きなときに駆って、好きなところへ行けるということは、すなわち魔法のほうきを持っているようなものだと思っている。
ドライブをするのはわたしの楽しみのうちの一つだ。
さて、ベルギーは車のメンテナンスについては比較的厳しいルールが敷かれていると思う。そこでしょっちゅう世話になるのがメンテナンスガレージである。
予約が必要でないこと、車を預けても徒歩で帰宅できること、常に余っているクレジットカード会社の金券が使えること、などという理由から、わたしは車の代理店直営ガレージよりも、街の一般ガレージをよく利用する。義理父も昔から使っている店で、メカニックのオヤジさん達もとても親切だ。
そういう平和な事情を知って気分を害しているのは代理店のオーナー氏である。
ここはベルギーだから、日本の商習慣の美と比べて嘆くのはナンセンスかもしれないが、普通、われわれの常識からして、他店から客を奪いたいと思ったら、他店よりも良いサービス、気配り、思いやり、割引、そのようなものを提供して対抗しようとするのではないだろうか。
ところが。
この代理店の40才半ばくらいのオーナー氏はすねた態度を取って対抗しようとするのである。
上目使いでこちらを見、唇をとがらせ、怒っているとか機嫌が悪いとか、そういう風情ではない、明らかな「すね」ポーズを取り、すね口調で「うちに持ってきてくれたらあ~いいのにい~(ぷんぷん)」などと話すのである。
わたしたち客と取引しているのではなく、恋愛の駆け引きをしているとでも思っているのだろうか。すね顔がチャーミングだとでも?
すねてみせて効き目がある相手は、(対わたし)うちの夫くらいなものである。彼はすねて動かなくなるとことがあるというイタリア車のような女が好きなのである(見苦しい惚気で申し訳ありません)。
ええ年した大人が!もっと大人になれよおっさん!とアドバスして差し上げたいのだが、「人のふり見てわがふり直せ」とはわが母の教えのひとつであり、わたしも大人げなさでは負けていないので...「よけつこたらへんわ(余計、使いませんわよ)!」などと言ってはおもしろがっているのである。
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