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Brugge Style
fornasettiの宮殿に住みたい
英国での隔離生活は12週間目を迎えている。
ほとんど3ヶ月間家に閉じこもり、1週間に1度、1マイル先に食料品を買いに行く。
車で20分先の最寄りの大きめの街まで出かけたのは2度。
ナーサリー(ガーデンセンター)に出かけたのが1度。
特に今週は雨模様。庭にすらも出られない。
こんな生活を自分がしていると、3月上旬の自分に話したら信じてもらえただろうか。
家にずっといるとやはり気になるのはインテリアだ。
まずは放置してあった上の写真の壁紙を自分の部屋に貼ろう(実物はまだプラスティック葉のかかったロール状で、上の写真は実物大の見本です)。
しかし、新型コロナ禍のため、デコレーターが都合をつけて来てくれるのはまだまだ先になるらしい。
では自分でできることを...
家具をローテーションしよう。模様替え。
ローテーションして、キャビネットをひとつ買えば全体のバランスがよろしいのではないかと夫と合意、どんなデザインのどこのものを買うかネット上でリサーチして楽しんでいる。なにしろ現物を見に行けないので。
いや、実はあまり楽しくないのである。
というのはわたしが一番欲しいキャビネットは絶対にこれ(一番下に写真)だからだ。これ以外には考えられない。
Fornasettiのキャビネット、Terumeau Architettura。
宝石は2度といらないからこれが欲しい。
しかし、当然予算オーバー...
世間では新型コロナの影響で、40代、50代の終活相談が増えていると報じられているのに、わたしときたらまだ物を増やそうとしている。
が、これは単なる物ではない。
ある世界を宮殿に縮小し、それを再びキャビネットのサイズに縮小したフォルナセッティの真骨頂。神殿。
シュルレアリスムの作品をひとつ身近に置くことなのである。
わたしの好きなものがそっくりそのまま全部入っている。回廊、吹き抜け、エンタブラチュア...
見ていると不思議な気持ちになる。
シュルレアリスム作品に感じる不安。吸い込まれるような、夢を再演されているような、不思議の国のアリス症候群にかかったような気持ちになる。
これは別の世界と交信する装置、いや、別の世界への入り口、制御装置そのものなのか。
わたしは子供の頃からこういうものが大好きだった。
母方の実家には壁一面の作り付けの仏壇があり、わたしはその黒と金色の絢爛たる完結した世界が大好きだった。
上から垂れる金色のジュエリーのようなかざり。シャンデリアのような雪洞。房のついた引き出しの中の宝石のような数珠。天井の絹のアラベスク。
(写真はFornasetti.comから拝借)
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