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言語事情




年賀に友人たちが集まった中、旧知のフラマンの男性と、彼の新しい彼女であるワロンの女性のカップルがいた。


ベルギーは、オランダ語を話すゲルマン系のフラマン人とフランス語を話すラテン系のワロン人に大雑把に別けられることになっている。

もちろん純血の人間など存在するはずもなく、現実は色鉛筆で2色に塗り分けたようにはなっていない。

だからフラマンとワロンのカップルは普通なのだが、わたしの感心をひいたのは彼らが英語で会話していたからである。



フラマン系の方が、オランダ語フランス語バイリンガル率が高い(これは事実)ので、こういうカップルはフランス語で会話するのが自然かな、と思っていたのである。
ちなみに彼も彼女もフランス語も英語ともに流暢。


そう言えば、ブラッセルで管理職をしている友人が「最近はフラマンとワロンの共通語が英語になってきているのよ」と話していた。
ブラッセルはEUの首都だから外国人就労者も多いだろうし、英語が職場の共通語になっているという状況は想像に難くない。



そうか、やはり英語か。
ある識者の話によると、文法や発音を含めて英語は日常会話へのとっつきが比較的簡単な言語なのだそうである。
「しかし」(と、彼は言った)「他言語に比較すると、格調高く話すのは非常に難しい」
うーむ、含蓄あるお言葉。


わたしもBBCのコメディを見て笑っているばかりでなく、泉鏡花の日本語のような英語を話すべく(まわりくどい喩え)これから英国の古典は原書で読もう!などと。


「今年もきっと勢いだけ」
などとは縁起でもない、言わないでおこう。


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