もっこす亭の生きざま日誌

 「自然と人・人と人」の“いいかげん・いいあんばい”な生き方を求めています。

つくられる“うその自白”ー志布志の悲劇

2008-09-21 18:20:19 | Weblog
昨日、仙台の弁護士会館に
 第23回 司法シンポジュウムのプレシンポジュウム
 「取調べの可視化の実現を求めて」
 -操作の改革なくして裁判員裁判によるえん罪防止は実現できないー
 
 を聞きに行った。

 興味があったのは、
 ・ドキュメンタリー映画「つくられる自白ー志布志の悲劇」と
 ・特別報告 藤山 忠さん(志布志事件えん罪被害者)の話
 
 志布志事件は、まだ記憶に新しい。
 03年4月、鹿児島県議選で公選法違反で13名が起訴、逮捕された事件。
 この捜査で、
 任意取調べという名の下で、連日12時間を越える取調べや
 「踏み字」を強要する違法な取調べが行なわれ、うその自白が次々と作られていった。
 07年2月、
 鹿児島地裁は自白の信用性を否定し、12名(一人は公判中に死亡)全員に無罪判決を言い渡し、
 今年3月、「踏み字」を強要した取調官に有罪判決が下ったばかり。

 映画では、警察権力による違法捜査で、うその自白に追い込まれた様子が詳細に描かれ ていた。
 藤山さんからは、
 ・事実のことを何度言っても聞き入れてもらえず、警察の作ったうその自白が強要され たこと。
 ・取調べでは、死刑にしてやるぞ!などと罵声をあびせ、机を叩いたり蹴飛ばしたりが 毎日続き、
  家族を引き合いにした脅しも行なわれた。また、家族に対する脅しもあったという。
 ・調書は50回以上とられたが、自白はうそだったと抵抗できたのは7・8回で、あと は疲れきって言いなりになってしまった。
 ・検察官の調べは、警察よりひどかった。
 ・疎明書について、ビックリするような“うそ”の疎明書が作られるのも壁になった。
 ・釈放されて、みんなが言ったのは「うその自白をしてでも楽になりたかった。」
 と、悔しさをにじませながら話された。
 最後に、取調べの可視化について、
 一部可視化の案が出されているが、これでは警察の思う通りに編集されてしまう。
 これでやられていたら、自分たちは無罪にならなかっただろう。
 “全面可視化にしなければならない”と訴えられた。

 3月に鹿児島を訪れた折、訪問して生の話を聞きたいと思っていて実現できなかったので、一端でも聞くことができてよかった。

 “えん罪”は、今の日本では、明日は我が身に降りかかってくる恐ろしさを感じる。
 裁判員制度も09年5月から。いよいよカウントダウン。他人ごとではない!