MASTER PIECE

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バリー・リンドン

2012年02月03日 18時57分33秒 | 映画



スタンリー・キューブリックが撮った成り上がり一代記・・・
簡単な説明はこれです(笑)

時に映画は役者のキャリアを殺す。
マルカム・マクドゥエルのアレックス、ケア・デュリアのボーマン船長など。
強烈な印象を残す作品に出たことで、そのイメージから抜け出せず伸び悩む役者も多い・・・

この作品の主人公バリーを演じたライアン・オニールはどうか?
イメージからしたら【ハンサムで優しそうな男】それがライアン・オニールの映画の中での印象。
ライアン・オニールって役者の代表作は?って言ったら【ある愛の詩】や【ペーパー・ムーン】だろう・・・
【バリー・リンドン】って答える人は少数派では無いだろうか。
そう、この作品にライアン・オニールをキャスティングしたところがキューブリックの完璧主義者なる業だと思う。

アイルランドの田舎の若者(バリー)が従姉妹の婚約者と決闘をする → 国外逃亡 →追いはぎに遭って一文無し
→ 戦争兵士に志願 → 詐欺師の監視役に → 詐欺師と組んでヨーロッパ放浪 → レディーリンドンに取り入る
→ リンドン卿が死んでレディーと結婚 → 義理の息子を追放 → 実の息子が事故で死亡 → 義理の息子と決闘
→ 足を負傷して切断 → アイルランドに帰る・・・・

これほどの波乱万丈なストーリーには癖の強い役者をキャスティングするよりも
ごく普通の役者(大変失礼ですね)が作品として適役だったのではないだろうか・・・(あくまでも想像です)

でもってこのライアン・オニールですが私生活ではプレイボーイでかなりの問題児だそうです・・・
だれでも人間は二面性を持っているから、役者と私生活のONとOFFを使い分けた自分に正直な人なのでしょう。

こんなキャスティングも考えてこの作品を観ると、計算された完璧な映像を楽しむことが出来ます。