【アフターダーク】→【不思議な図書館】→【風の歌を聴け】→【1973年のピンボール】と読んで
村上春樹の5冊目を読んでみた。
以下、短編の感想です・・・
「レーダーホーゼン」
語り部の女性の母親がドイツに旅行することになり夫に頼まれた
レーダーホーゼン(半ズボン)を購入することになるのだが・・・
なんでしょうか?この心変わりというか、決断は・・・
理由がレーダーホーゼンにあるというのが可笑しなツボだと思います・・・
ちょっと意味不明ですが、母親の心境を一番理解しているのが彼女だったりする。
ラストにシニカルに諦め半分な彼女の言葉が印象的でした。
「タクシーに乗った男」
画商でニューヨークに住んでいた女性の一番印象的な絵が「タクシーに乗った男」の絵
その絵の中の男と彼女自身がオーバーラップして・・・
かなりドラマチックなストーリーですが女性の決別と再出発のストーリーですね。
「プールサイド」
こんなスマートな男はおらんやろ~と突っ込みを入れたくなる内容でした(笑)
「今は亡き王女のための」
村上春樹自身の思い出ですね、好きではないが魅力的な女性とのぬくもりを感じた一夜の出来事。
でもなぜ題名が「今は亡き~」なんだろうか? 思い出の中だけに生きているっていう事なのかな?
「嘔吐1979」
このストーリーが一番引き込まれました・・・ミステリーですね。
これが実話だとかなり奇妙です。
「雨やどり」
雨やどりの為に入ったレストランバーでの女性との邂逅・・・
村上春樹はやたらめったらモテるようです(笑)羨ましい・・・
「野球場」
ある銀行員の過去の告白。
ストーカーです・・・間違いないです(笑)
でも彼はそのことに自分なりの答えを見つけ気持ちの中で昇華している、だれも傷つけることなく・・・
これって有りそうで有る話だと思った。
「ハンティングナイフ」
海のリゾート地での青年との出会い・・・
ラストは感傷的に静かに終わるストーリーでした。
「ねえ、今何時ごろかわかるかしら?」と女が訊ねた。
僕はたいした意味もなくビーチに目をやってから「二時三十分か四十分か、たぶんそのあたりでしょう」と言った。
「時間というのは純粋に独立した存在なので、そのように独立してとりあつことが可能なのだ。」
うーん、村上春樹の文章表現ですね、私もやっと少しは解ってきました。
次も短編集を読んでみようと思います。
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