MASTER PIECE

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ノルウェイの森

2014年05月15日 17時17分22秒 | 映画



本日映画作品を観ました。

超有名な小説ですが、いまだに読んだことがありません。
この作品が村上春樹の小説を映像化していることで成功しているのか?失敗なのか?分かりません。

一つ言えることは、思っていたイメージと全然違いましたが、素晴らしい作品に素直に感動しました!!!

60年代後期~70年代初頭を題材とした作品では「マイ・バック・ページ」を思い出しましたが
似たような時代背景だったんですね。「マイ・バック・ページ」が政治的思想が題材でしたが・・・

これは・・・激動の時代のゆるーい大学生活と幼馴染との純愛と切ないほどの青春群像劇

「現代文学の最高峰」ってそうなの?
そういわれればそうも思える・・・って、村上春樹に失礼ですね。(笑)

映像作品では描かれていないが、木月の自殺はなぜ?ってなるし
恋人の直子は心因的な病気で療養所に入っているのまでは分かったが
それ以前に東京に一人暮らししていた場面もあり。
なぜ?そうなったかはよく理解できない・・・恋人の自殺や渡辺との再会が原因なのか?
最終的に彼女も自殺してしまうし・・・凄くやりきれないもやもやした感じと喪失感。

あぁ~泣いてしまった・・・泣かないはずだったが直子と渡辺の冬の別れで号泣です(笑)
せつなさがもう限界、深く愛することがこんなにも切ないなんて・・・

あんまりネットの評価も高くは無いので駄作だと思って観ましたが、凄くよく出来た作品でしたね。

これが駄作だったら小説はどれだけ凄いんだという事になります(笑)


かわいそうだね?

2014年05月15日 01時59分04秒 | 書籍



綿矢りさの小説、2作品目。

題名が「かわいそうだね!」ではなくて「かわいそうだね?」の疑問形なので
題名からして、ちょっとひねった恋愛小説って事は想像していました・・・(笑)

女子の本音、大人の恋愛模様などが大筋のストーリーですね・・・

こういう話なら多分、ネットの中には無限に存在するし
【加藤はいね】のブログでも観れば、いわゆる痛い女子の面白さとか、一途な恋愛感情にも共感できるんだけれど
自己体験談の面白さと、フィクションとしての小説の面白さはまた違います

そこはやっぱり綿矢りさの文章力や表現力が凄いということです・・・(当たり前ですけど)



いろいろ思うことはあるものの、ただなぜか、やたらとスッキリしている。
こんなに自由な気分になったのは久しぶりだ。思う存分、好きなようにふるまったせいだろうか。
怒りながらでも、わめきながらでも、損得の計算をせず本心をぶちまけることができて、ほっとしていた。

かわいそうだから助けてあげる、と嘯いていたときの、うさんくさい自分より、今の自分のほうがよほど好きだ。
いまなら、かわいそうという言葉を嫌っていた人たちの気持ちも分かる。
相手を憐れんでから発動する同情心は、やはりどこか醜い。
みんなもっと深い慈悲を他人に求めているし、自分にも深い慈悲が芽生える可能性を信じている。

困っている人はいても、かわいそうな人なんて一人もいない。(P153より抜粋)


主人公、樹理恵の心境の変化を表している文章ですね、うん、言われてみればごもっともです(笑)

面白くて、ちょっぴり切ない作品でした。