俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

秋明菊(しゅうめいぎく)

2008-10-21 | 俳句・秋・植物


秋明菊水音絶えぬ境内に

キンポウゲ科の多年草。茎頂に菊に似た紅紫色又は白色の花をつける。一重や八重咲き、大輪や小輪など種類が多い。京都の貴船の辺りに多く野生化していたので、「貴船菊」とも呼ばれる。万葉植物が多く植えられた寺の境内に溝というほどの小流れがあった。樋状の口から水が絶え間なく小流れに出ていたので、水音がしていた。その傍らに秋明菊がひっそりと咲いていた。

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日を享けて農家の庭の貴船菊


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稲架(はざ)

2008-10-20 | 俳句・秋・人事


連なれる稲架の傍まできてみたり

刈り取った稲を乾燥させるために掛ける木組み。横渡しの竹は一段のものが多いが、穀倉地帯では十段近くになる所もある。長く連なった二段組みの稲架(はざ)があった。小さな田圃で、田植えから収穫までを子供達が行ったもので、かなり長い稲架となっていた。傍に寄って、しっかりと稲が実っているのを確認した。

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何となく近寄れば稲架ぬくかりし


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大文字草(だいもんじそう)

2008-10-19 | 俳句・秋・植物


大文字草の鉢なり立止まる

ユキノシタ科の多年草。低山から高山の湿った所に生える。花は左右対称。花弁は上の3枚が短く、下の2枚が長大で「大」の字に見えるところからこの名がある。山野草の鉢植えが展示されていた。小さな鉢に小さな草花がきれいに咲いて、丹精込めて育てられていることがよくわかった。その中に、初めて見る白や赤の大文字草があった。

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大文字草や紅際立たせ


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紫式部

2008-10-18 | 俳句・秋・植物


鳥立ちし辺り紫式部かな

クマツヅラ科の落葉低木。山野に自生し、高さは1.5~3mほど。庭園で見かけるのはほとんどコムラサキであるが、ようやく本当の紫式部を見つけた。枝は奔放に伸び、実は赤紫色をしており、粒が小さくばらばらについていた。固まって実の生るコムラサキとは違い、野趣に富んでいた。

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木々渡る風の音なり実むらさき




坂下りて息整へぬ白式部


コムラサキ

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通草(あけび)

2008-10-17 | 俳句・秋・植物

ミツバアケビ

手の届く薬草園の通草かな

山野に生えるアケビ科の蔓性落葉木本。果実は長楕円形で、熟すと紫色を帯び縦にさける。果肉は黒い種子が多いが、甘味がありおいしい。名の由来は「開け実」からきている。薬草園に通草棚があり、果実が目の高さに生っていた。まだ口が裂ける前で、紫色にはなっていなかった。熟したら味をみてみたい衝動に駆られた。

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紫を差し初めたるも通草棚



まだ青き通草や妻と見上げゐて


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