ワタナベ酒店

さぬき高松にある地酒地焼酎専門店、渡辺酒店のブログです。
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自然派醸造「花巴」の勉強会

2018-10-12 16:05:49 | その他

先日、自然派醸造花巴の会の前夜祭(ペアリング会)の状況をBlogで紹介させて頂きましたが、今回は当日の勉強会の様子をご紹介させていただきます(^^)/

 

飲食店さんをお呼びして、お酒とお料理のペアリング勉強会も今回で8回目となります。

今回は百間町にある「酒肴 天馬」さんにて、「自然派醸造花巴の勉強会」を開催しました!

 

花巴のあの個性的な酸は「洋食」に合う!というイメージを持たれる方も少なくないと思います。

しかし、あえて日本の食文化である「和食」に、どう寄り添い、個性を発揮できるのかをペアリングを通して探っていきます!

 

今回お出ししたお酒ラインナップはこちら

     ↓

右から

・はなともえ 純米吟醸雄町28BY
速醸仕込みの酵母無添加醸造。
岡山県産の雄町を使用し、吟醸仕込みで綺麗な酸と雄町米の旨みが特徴

・花巴 山廃純米雄町生原酒29BY
山廃仕込みの酵母無添加醸造。
奈良県産雄町を使用し、無添加の自然醸造で仕込まれました。
芳醇でエレガントな雄町の旨み、ジューシーな酸が魅力的です。

・花巴 水もと純米生原酒29BY
「水もと」とは室町時代に夏場に仕込んでも腐敗しない仕込みとして編み出された醸造法。
梅や杏、チーズやヤクルトのような複雑な香りと甘酸っぱい酸が特徴です。

・花巴 山廃本醸造火入27BY
四段仕込みで酸と旨みを凝縮させ、常温で寝かせて出荷されるコストパフォーマンス最高の本醸造
程よい熟成香とアルコール度数16度とは思えないほど芳醇なお酒です。

・【隠し酒】百年杉
蔵に直接来られたお客様のみ販売されている特別なお酒を出していただきました。
古くから林業で盛んな奈良県吉野の特徴を活かし、吉野杉樽仕込みの山廃純米酒です。
杉樽の香りはほとんどついてなくて、奥行きのあるやさしい酸と旨みが癖になります!

 

 

それでは、花巴の勉強会始まります!

 

まずは、私より開催にあたってのご挨拶を。

 

そして橋本さんよりご挨拶があります。

 

吉野の風土をはじめ、花巴の造りのことを写真を使って丁寧に伝えて頂きました。

地元吉野は古くから林業が盛んで、林業または農業が生活の中心となっていました。

林業と農業と共に酒造りも共存しているので、吉野杉の樽を使用したお酒や、地元農家さんが作った酒米を中心に使い、トータルで吉野の風土を感じていただけるお酒を造られています。

 

みなさん真剣に聞き入っています。

 

 

まず初めのお料理は

鰹のたたき

生臭さが少なく、脂がのってとても美味しい鰹です!!

お料理一品に対してお酒4種類をそれぞれ合わしてペアリングを試みる方法で行います。

私は、山廃雄町生原酒の燗冷ましと、鰹のたたきのペアリングが良かったです!

山廃雄町生原酒は、60度くらいの熱々燗にしてじっくり冷ました燗冷ましのぬるい温度帯になるとボディー感のトーンが下がってやさしい旨みと軽快さが出ます!

水もとと合う!という意見もあり。

 

続いて

鱧・キュウリ・土佐酢

鱧を一度白焼きにしているため、香ばしさと旨みがギュッと詰まっています!

こちらに合わせてよかったのは、はなともえ 純米吟醸雄町28BYです!

純米吟醸雄町は山廃ほどボリューム感はありませんが、甘酸っぱさがスッキリ伸びます。

この甘みと酸味とが、土佐酢に合うんですね~!

 

 

続いてのお料理は

ホタテ・キノコのバターソテー

こちらに合わせてよかったお酒は

山廃本醸造の燗でした!

バターと熟成酒は響きあいます!!マリアージュ💛です!

山廃純米雄町生原酒や水もとも良かった!とのお客さんの声もありましたよ~

 

 

 

鯖の酢〆

これは脂がのって美味しかったなぁ~(#^.^#)!

こちらは全員一致の答え!!山廃純米雄町生原酒!!

本日のベストマリアージュ賞です!!

前夜祭でも鯖バーガーと相性が良かった山廃純米雄町!!

私の自論ではありますが、雄町というお米は食材の持つ生臭さを包み込み、旨みを乗せてくれるお米だと思いました!!

 

 

橋本さんを囲んでの楽しい語らいの一コマ☆

 

 

 

 

続いて

鰆の照り焼き

このお料理、個人的に好みの味付けです!!

脂ものっていて最高でした!

水もと純米生原酒の燗で合わせると、酸で切らしてくれる。

山廃雄町生原酒で合わすと鰆の旨みがより一層膨らむ。

山廃本醸造の燗で合わせると鰆と寄り添って、後口まで心地よく広がります。

個人的には山廃本醸造が一番合った印象でした!

 

 

イワシ・ゴボウ・インゲンの天婦羅

イワシの天婦羅は純米吟醸雄町28BYがイワシのほろ苦さを包み込み、旨みを乗せて広がっていくので良かったです!

 

 

続いて

もずく・土佐酢

これは何が合うかなぁ~??と私自身食べ合わせて何が合うか悩んでいたところ、山廃本醸造の燗冷ましか、少し加水をした山廃本醸造が美味しかったよ~との声が上がりました!!

山廃本醸造は味が芳醇でそのまま飲むとやや重厚感があるので、燗にしたり、加水をしたりして軽やかさを出すと、もずくの酸と合いやすいのかなぁと思いました。

 

 

鴨・梨・玉ねぎソース

鴨+梨+玉葱ソースという異色の組み合わせで、花巴に合わそうと考えてくださった、天馬の馬渕店主!!向き合っていただきありがとうございます!!

これには、水もとの燗で合わせてみて~とのことでしたのでやってみました!

梨のみずみずしい果実味と水もとの酸・・・・合います!

鴨のドライな旨みと玉葱のほろ苦さと酸とが水もとの複雑な旨みに・・・・・合います!!

 

 

 

そして最後に

魚介の旨みが詰まった味噌汁です

ほっとしますね~(#^.^#)

 

 

こんな感じで、一品一品のお料理にすべてのお酒を飲み合わせていく勉強会は無事幕を閉じました!

和食もいろいろスタイルがありますが、花巴のお酒は完全なるお食事メインの料亭のお料理では酒が強すぎて合わないと思いました。

しかし天馬さんはお酒をより美味しく飲むためのお料理の出し方を知っているので、花巴ほどの個性にも負けないしっかりとした味わいのお料理を出して下さいます!

しっかりとした味つけの和食に花巴は合う!ということが今回の勉強会で分かったことはかなり大きな収穫となりました!!

 

ともあれ、天馬さんには「花巴」と向きってペアリングを考えて頂き本当に感謝しています。

こういうチャレンジが飲食店さんの知識となり、お料理に生かされていくことを願っています。

 

皆様、本当にお疲れさまでした!!

 

渡辺英二