河童の歌声

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今日の一曲「上海の花売り娘」

2019-05-03 07:57:34 | 音楽
上海の花売り娘(歌唱)水森かおり


これは中国人ではなく、れっきとした日本人(上原げんと)の作曲です。
でも、私はこの中国情緒あふれるメロディーが大好きなんです。

私達夫婦が1歳10か月の娘を連れて1ヵ月間の中国へ行ったのは、
今から26年前の事でした。

上海ジャズバンドで有名な、和平飯店で、
あのジャズバンドの演奏を聴きましたが、
その演奏に合わせて踊る大勢の客の合間を縫って踊る(お邪魔虫)の、
娘(万里子)を思い出すと・・
逢えない娘を思い出すと、切なくなります。

上海では・・乗った電車の向かいの席に座っていた老婆を思い出します。
彼女は、私達夫婦(中国人の妻であっても、
カタコトの日本語を話す妻)は日本人としか見えず、
それが彼女には耐えがたい事だったのです。
彼女は一度として私達を見なかった。
決して見ようとはしなかった。
「あぁこの老婆は日本人を恨んでいるんだな」
あの残虐行為で、自分の人生を台無しにしてしまった日本人。
人生そのものを全てオシャカにしてしまった日本人。

その老婆が日本人によってどれだけ苦しめられ、
どれだけ人生を狂わされたか・・そう思うと、
私は彼女の顔をまともに見る事ができませんでした。
もう年齢的にいっても彼女の人生にやり直しなど出来る筈もないのです。

「私は日本人だけど、貴女たち中国人にどれほど残酷な事をしたのかは、
よく分かっています。その事は私が生まれる以前の事なので、
私個人には何の責任もありません。
でも、同じ日本人だという事実に変わりはありません。
本当に謝りたい、ごめんなさいと心からお詫びしたい」

そう言いたかったけど、
私は悲しげにうつむく老婆の横顔に、
ただゴメンねと心の中で謝るしかありませんでした。
本当に、あの瞬間の、人としての(心)は・・切なかった。
ごめんなさい、ごめんなさい。





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