私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

吉備って知っている 32

2008-10-28 14:01:18 | Weblog
 吉備津彦命が鵜に変身して鯉に化けた温羅を殺して、その首ろ曝したところが首部です。
 首部、これを「こうべ」と呼びます。山陽高速道岡山の入り口付近の地名です。

 曝した温羅の首は何年となく大声を発して唸り響いて止まりらず、付近の人々恐怖に陥れます。そこで命は犬飼健(いぬかいのたける)に命じて、犬に食べさせます。しかし、髑髏だけになった温羅の首は依然と唸り続けます。命は今度は吉備津宮の竈の下八尺の穴を掘り、そこに埋めます。それでも十三年の間唸り声は止みません。そんなある夜、命の夢枕に温羅の霊が現れ
 「我妻、阿曾媛に、釜殿の神饌を焚かせなさい。何か事があったら釜の前に参りなさい。幸ならば裕(ゆた)かに鳴り吉で、禍があれば荒らかに鳴り凶と、人々に知らしてあげる」
 と言った。
 これが鳴る釜の神事の起こりです。でも、「裕かに」「荒らかに」と言っても、人々には具体的にどういうのかその鳴り方の区別できません。だから次第に、鳴る場合と鳴らない場合の二つに分けてこの神事をわかりやすくしたのです
 
 お釜殿は温羅を祭ったお宮です。阿曾女が代々火を燃やし続けて奉仕しているということは何を意味しているのでしょうか。
 「鬼というか霊魂」と「火」と「処女」という取り合わせは、何が不思議な神秘さを感じさせるに十分なものがあるように思えます。その神秘さが更に農業と結びつき、作物の豊穣豊作と結びついて大いなる信仰へ発展したのではないかと思います。

 


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