“歌の詞はみやびてうつくしくをかしをえらび”て作らなくてはならないと高尚は教えています。それに付いてどのようになすべきかかを書いております。その例として宇津保物語にある、次の歌です。
●夕ぐれにいなびかりのするを見て
・いなづまの影をもよそに見るものをなににたとへんわがおもう人
●つるいとあはれにうち鳴てわた。此君、これをききてましてかなしきさまさりて
・たづが音にいとどもおつるなみだかな同じ河ベの人を見しかば
という歌があるが有ります。
文の詞には、「いなびかり」、「つる」といひ、歌の詞には、それが「いなづま」「たづ」と文の詞より違えて云っています。随分と注意をして、この二つの詞を使い分けていると云うのです。つると云わずに多豆というからそこに何となくしみじみとした情感が湧くのであって、例えば「しらつる」を「しらたづ」と云わないことでもよく分かると云われるのです。
まあ、この辺りの事に付いては高尚先生も随分と理屈っぽく自分の説を説いていると言わざるを得ません。どうでしょうかね????
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