この宮内は、単に、遊興の地、遊廓のある場所と言うことだけにとどまらず、全国からこの天与の風光を愛する文人墨客たちが多くその杖を引いて此の地に遊んでいます。
中でも、瀬山陽の如きは前後十一ヶ年にも及び此の地に遊びたりと伝えられています。
瀬山陽は、特に、此の宮内の韻士、真野竹堂家に起居していたのです。嘘か誠かは分からないのですが、一時、此の山陽は真野家の店用当座帳を記入していたとさへ云われていたのです。
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