ビオラのつれづれ記

大好きなお花のこと、
日常のちょっとしたことなどを書き留めています。

美術館のはしご

2019-07-15 12:57:26 | 日記・出来事

先日見たい展覧会が重なって一度に済ませようと美術館のはしごをしました

でも美術館は一つでも結構疲れるところですよね

家に帰ったらどっと疲れが…

「美術館はやっぱり一日一ヶ所にしておくべし」の教訓でした

 

*古代アンデス文明展*

アンデス文明と言えば私が知っているのは有名なナスカやインカだけでしたが

16世紀スペインによってインカ帝国が滅ぼされるまでの1500年間にアンデスの地には数多くの文明が栄え

独特な文化を花開かせていたことを知りました。

古代アンデスの人々は文字を持たなかったけれど土器や織物などの中にその宗教観や世界観を表現したという

      文字を持たないアンデス文明で情報の記録や伝達手段とされた「キープ」

      紐の結び目や数、色や太さなどが意味を持っていたと考えられているそうです

                     

織物の技術も素晴らしく鮮やかな色と模様の組み合わせに目を見張りました

これらの織物はチュニック(上着)だったらしい

 

     大きく舌をだす顔(左)や自分で自分の首を切ろうとしている象(右)など

     私達にとっては残酷性や恐ろしさが感じられるような表現は

     独特な死生観や世界観を表していると言えるのだそう

 

                                                                                  

      パネルの説明を読み、そのスペインに略奪された黄金が先のスペイン旅行で見た

     諸々の素晴らしい純金飾りなどに化けていたのかと興味深かったです 

 

そしてマチュピチュの遺跡にみる高度な石の建造物なども

それ以前の文明期にも同じような石の文化が存在しており、

そこから引き継がれた技術によっているものであることも今回の展覧会で分かりました。

文字を持たなかったことで謎も多く宇宙人説も出るアンデスの文明ですが

そこに生きた人々の暮らしの一端からは現代の私達でも計り知れないような高度な文明が

存在したことが再認識される展覧会でした

 

 

*「メアリー・エインズワース浮世絵コレクション」

アメリカ人女性メアリー・エインズワーズは明治36年来日の際浮世絵に出会い

その芸術性を認めていち早く収集を始め25年間で1500点もの浮世絵を収集したコレクターだそうです

 

初期の浮世絵から北斎や広重に至るまで浮世絵の歴史をたどることができる幅広いコレクション200点

世界で一点しかない浮世絵

六大浮世絵師(晴信、清長、歌麿、写楽、北斎、広重)の作品が勢ぞろい

というのがこの展覧会の見どころです。

浮世絵の初期から順を追った展示によると

 浮世絵のごく初期は墨摺絵という墨色一色のものでした

 それに彩色したものや紅と緑を中心にした2,3色を摺る素朴な紅摺絵が登場

     そのころの菱川師宣による作品

 

その後より高度な多色刷りの木版画・錦絵が誕生

当初美しい多色摺の木版画は高級なものであったけれどそれが大衆にも共有されるようになり

そして「大首絵」と呼ばれる美人や役者をモデルに人物の顔を大きくとらえて描く浮世絵が大衆に人気となり

浮世絵の黄金期を迎えます

写真はNOだったので作品のアップはできませんが

歌麿や写楽などの人気絵師が数多く輩出されました。

その後葛飾北斎が「富岳三十六景」をシリーズ出版し浮世絵の世界に風景画という新たなジャンルを確立し

北斎より40歳ほど若い広重も次々と風景画の作品を世に出して風景画の双璧とされた。

 

二人の有名な作品   北斎の「凱風快晴」     広重の江戸百景「亀戸梅屋舗」

いつ見ても何度見てもこれらの斬新な構図や配色には目を見張ります

というように浮世絵の移り変わりを追いながら200点の作品を一つ一つ見て廻りました。

最後の方に来るとさすがに疲れが目立ってきて途中でしばし休憩

200もの作品一つ一つを目を凝らして見つめて廻ったので目もショボショボ

やっぱり疲れる美術館のはしご、でした。

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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (tona)
2019-07-15 14:50:40
数年前まで私も美術展のはしごをしていました。
2回くらいは3つも行ったことがありましたっけ。
ところが最近美術展に行くと腰が痛くなるのではしごが出来ないどころか、一つでも痛くなると思うと足が遠のいてこの2,3年はめっきり減りました。前はパンフレットが1年分袋に収まらなかったくらいですが。

私も以前このアンデス関係のに行きまして同様の感想を持ちました。スペイン人はひどいことを中南米でした結果の一つがスペインのあのキラキラした教会の金ですね。ポルトガルの教会や修道院はもっとキラキラでした。

メアリー・エインズワースは知りませんでした。
素晴らしいコレクションンなのですね。世界に1つだけのをじっくりご覧になってきましたか。
しかしこちらだけでも200点とは目しょぼしょぼ状態、よくわかります。お疲れさまでした。
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Unknown (kazuyoo60)
2019-07-15 16:28:28
文字の代わりをしていたキープ、テレビで見ました。文字は有難い発明ですね。そして今の時代のネットもです。
織物、染め物、高度なのでしょう。いけにえの死は日常茶飯事だったようですね。自分や家族がそれにあたる時、独特の諦観が有ったとしても---。非情な社会です。
2つは~~、沢山歩かれて、目も頭もお疲れ様です。
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Unknown (オッキィ)
2019-07-15 17:49:51
ビオラさん、すご~~い
なんと!元気ですねぇ

と思いながら読み進んだら、最後に「やっぱり疲れる美術館のはしご」って書いてあったから、
「そうだよねぇ」って思いました。

どちらも、ゆっくりと見たい展示だよね。
広島にも、そのうちに来るかしら?

浮世絵のコレクションは、海外に流出したものが多く、なかなか見れない作品が多いですよね。

話は違うけど 朝井まかて『眩』の本、お薦め
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★tonaさま (ビオラ)
2019-07-16 11:23:41
tonaさんは3つものはしごを経験されていたんですね。
ふたつでクタクタの身にはすごいとしか形容ができません
黄金のインカ文明に黄金がない意味とスペインでの黄金の輝きへのつながり・・・
目で実際を見たからこそそのことが強く思わされるんでしょうね
世界に一つしかない浮世絵は晴信の作品でまだ色のない墨摺絵でした。
そうした地味な浮世絵の価値をも認めた収集眼がすごいとの説明もありました。
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★kazuyoo60さま (ビオラ)
2019-07-16 11:37:49
暗号の様でもある「キープ」はまだまだ謎が多く
解明されていない部分が多いそうですが
文字を持たなくてもあれほどの高度な文明が栄えた謎は興味深いです
また会場にはミイラも多くありアンデスでは死後もミイラとの共生を信じていたという死生観が
エジプトのミイラとは違うものであるという事でした
頭蓋骨に手術跡が残るミイラなどを見てただただ驚きでした。
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★オッキィさま (ビオラ)
2019-07-16 11:45:53
はしごは初めてでした
なんなく行けると思ってましたがやはりきつかったです(;^_^A
当時日本ではその辺の新聞紙程度にしか思っていなかった浮世絵に
美術的価値があることを教えたのは外国人ですものね。
今回の浮世絵展も「里帰り」と称されていましたが
気が付いた時には多くが外国に流れてしまっていたのが残念です。
「眩」は読みました~
北斎のすごさを改めて知る本ですよね

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美術館巡り (だんだん)
2019-07-16 19:37:39
凄い、凄い、美術好きだから足が向いてしまうんですね。
一ヵ所でも頭がボーっとしてしまうので、無理です(^^;
しかし詳細にご覧になって身に付くのが、勉強家のビオラさんだからこそ♪
何処の美術館かなとチラシ見たけど、字が小さくて読めませんでした。
美術の歴史は、ドキュメンタリー番組や美術史全集で見るだけです。
アタワルタ王の最期は覚えていますが。
余談ですが60数か国へ行った夫は、考古学者になりたかったのです。
ノミ市やバザールで細工物を買うのが好きで(^^;
多分稀な収集になってると思います。
ガラクタにしか見えなくて、処理に困ってます。
お疲れさまでしたね、もう回復されて喉元過ぎればにならないようにね。

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Unknown (菜桜)
2019-07-17 10:34:08
おはようございます。
2か所の美術館巡りは有りません。
目が回りそうです。
古代アンデス文明興味はありますが 私はドキュメンタリーだけは見たことあります。
「メアリー・エインズワース浮世絵コレクション」は存じませんでしたが 葛飾北斎と広重のは何度も見ました。
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★だんだんさま (ビオラ)
2019-07-17 11:47:02
美術館は二つとも静岡です
西洋人側から見た発見は現地人からすれば侵略であり
インカ帝国の最後は悲劇的なものですよね
私も詳しい歴史はよく分かりませんがアンデスの地に栄えたいくつもの文明の独自性は
その地理的要因が大きかったのかもしれません
考古学者になりたかった旦那様が集めた品の数々は
ご本人には宝物なんでしょうね(;^_^A
家族のご苦労?をお察しします
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★菜桜さま (ビオラ)
2019-07-17 11:53:31
簡単に考えて出かけましたがやはり疲れました
もっと若い時なら?でしたが・・・
アンデス文明はなぞも多くテレビなどでも取り上げられることが多いですよね
以前はマチュピチュへと憧れましたが今はもう無理とあきらめて
ドキュメンタリーや展覧会などで我慢です
浮世絵展は;見たことのある有名な作品もですが初期の貴重な作品も数多く
アリー・エインズワースの収集眼にも驚かされるものでした
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