今回の旅では奈良ホテルと共にぜひとも訪れたかったのがやはり思い出の地の室生寺と長谷寺でした
当時はどのようにして行ったのかの記憶は定かではありませんが
二つのお寺とも市街地からは遠く、あまり便がよくありませんので今回はレンタカーで…
何年か前九州へ旅した時やはりレンタカーを借り指宿を目指す時道を間違えてしまって
「お前のせいだ」「あなたが悪い」でケンカした苦い思い出
今回はそんなことのないようにと密かに願いつつ出発でした
室生寺は山深い大自然の中に建つ寺、紅葉も進み綺麗な赤や黄が迎えてくれました
境内の至る所にシャクナゲがあり昔来た時はそのシャクナゲが満開だったことを思い出します
そしてここは厳しく女人を禁制していた高野山に対し女性の参詣を許したことから「女人高野」とも呼ばれ
今でもその参拝客の8割が女性だとのこと
多くの文化遺産もさることながら自然に溶け込んだ四季折々の美しさが女性をひきつける所以かもしれないと思いました
ここの五重塔は高さ16.1mで屋外に建つ五重塔では最小のものでここ室生寺での最古の建築とのこと
でも平成10年台風により倒れた杉の木が塔を直撃して大きな損傷をこうむった事は記憶に新しいですが
2年後には修復されて今に至っています
塔のそばには根だけ残った大きな木がありましたがこんな大きな木が倒れたのでは
ひとたまりもなかった事がうなずけました
この塔の後ろに奥の院に続く階段があります
日頃膝痛に悩む夫は杉木立の中の見上げるほどの階段に恐れをなして「ここで待っている」
情けないわねぇ、じゃあ私一人でと上り始めましたが結構きつく途中で何回も休みながらやっとの思いで登り切りました
こんな急な階段が何百段?
家に帰って古いアルバムを見たらこの石段を写真に撮ってあるのを発見、
全然覚えてないけれどちゃんと上まで登っていたのねぇ、若かったもんね、でした。
次に向かったのは長谷寺
長谷寺は「花の寺」としても有名で昔らから多くの「歌」にも詠まれ
百人一首で私の得意札だった紀友則の歌もここを謳った物だと知りました
人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににおひける
以前来た時はちょうど牡丹の花が満開で素晴らしかった記憶が鮮明でした
当時はこんな風でしたが今はその数は増え150種7000株もの牡丹が植えられているとのことで
見事さは一層増しているに違いありません
長谷寺というと仁王門から本堂に続く登廊が印象的です
長谷型と呼ばれる雪洞のような灯籠も趣があります
石段は399段もありますが一段が低いのでそれほど難儀はなく歩けます
登廊の長さは煩悩の数と同じ百八間(けん)あり、
煩悩を落として登り切った後にご本尊の十一面観世音菩薩に会えるのだそう
あいにくちょうど工事中であちこちに幕が張られていて写真はなしですが
昔の記憶以上の素晴らしいお寺でした
市内に戻って友人お薦めの白毫寺を訪れてみました
境内から奈良市街が見渡せる高台にありその景色が良かったと聞いていたけれど
地図には載っているけれど途中で道が無くなってしまうような山道に入ってしまいナビでも難しい白毫寺でした
そんな場所にある鄙びた感じの小さなお寺には訪れる人も少なく静寂に身が引き締まるような空間でした
難しい名前の白毫(びゃくごう)とは仏の眉間にあり光明を放つという白い渦巻状の毛の事だそうです
以上、おかげさまでケンカもなく何とか無事終了して長年の思いを果たせた奈良旅でした