笑顔浴

優しい時間

生き残る手段

2011年12月13日 | Weblog

12月10日(土)は、疲労で身体が動かず、結局 1日中 布団の中で安静。

緊張がゆるんだとたん、どっと疲れが出てきたかんじです。

産業カウンセラー実践Ⅱはお休みしました。ご心配ありがとう。

おかげで、翌日の12月11日(日)の認知行動療法は、スッキリして参加できました。

 

認知行動療法の話ではないのですが、

余談で面白い仮説を聞いたので、メモしておきます。

 

猿の群れがありました。

小猿が遊んでいて、気がつくと一人ぽっちでした。

不安になってキーキー鳴くと大人の猿が迎えにきました。

不安にならない小猿は、助けを呼ばず、置き去りにされ、どこかで迷った末、死んでしまいます。

不安を感じる個体だけが生き残ったかもしれません。

 

もしも、猿の群れから遠く離れた場合、黙っている小猿は見つかりにくく、

キーキー鳴いた小猿は、狼や獣の餌食となりやすく殺されたでしょう。

一箇所にとどまり、じっと動かなかった小猿は、助けが来るまで生き残れるでしょうが

パニックで動き回った小猿は、体力を消耗して死んでしまったでしょう。

 

つまり、危機的な状況下で生き残るために、

うつ状態になることで危機を回避しているのではないか

うつ状態になるように、身体が管理しているのではないかという仮説でした。

そういうシステムをもった個体だけが生き残った可能性が高いかも。

うつ病の治療薬は、脳の神経と神経の間の神経伝達物質(セロトニン)を増やす薬ですが

2週間以上飲まないと効果がでてこないと言われています。

脳の細胞は増加しないと言われてきましたが、

近年、脳の海馬という部分で細胞が増えていることが見つかったそうです。

セロトニンが海馬で幹細胞を作り始めるまで2週間以上かかるのではないかという仮説もワクワクしました。

 

私たちがまだ猿人だった頃のシステムのなごりは、今も温存しています。

獣に襲われて、闘ったり逃げたりする時に、適した身体状態になるよう交感神経が働きます。

たとえば、結婚式のスピーチなどで緊張すると手に汗が出てきますが、

もともとは、緊張場面で(逃げる時)枝から滑り落ちないため

ストレスで皮膚の血管が収縮するのは、噛まれたり切られても出血が少なくてすむように

心臓がドキドキするのは、酸素と栄養を含んだ血液を、逃げたり闘う筋肉に送るため、

ハーハー息が速くなるのは、多くの酸素を肺から摂取するため。

安全な穴の中や、木の陰で、リラックスできる場面になると、副交感神経に切り替わるので

食事できるよう胃腸が働き始め、子作りするのに適した身体状態に変わります。

だから安心できる場で食事したほうが、消化がいいんですね 

 

それらと一緒で うつ状態も身を守るシステムの一つだとしたら

ストレスが増加する社会で、うつ病が増加するのは自然かもしれません。

「本人に問題がある」という言い方をする人が多いのですが

環境を安全に変えると、うつ状態でいる必要がないわけです。

でも、急に状況が安心で安全に変わらないから

危険を感じてうつ状態を起こす生物的な本能担当の脳に、

思考的な脳が安全だよとなだめるお手伝いを 私達は担当します。

恐ろしい猛獣を見れば、本能的に襲われると考えて恐怖で緊張しますが、

それが映像だと知ったり、檻の中にいて襲われることはないと思考して、安心します。

猛獣を怖い誰かに置き換えれると、似たようなことになっていないでしょうか?

人間関係の悩みも、考え方や受け止めかたを変えることで、

昨日より少し楽な気分で暮らせるかもしれません。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする