ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

アッパリアスな日々

2015年06月09日 09時31分00秒 | 探検・冒険
ここ数日、日々のアッパリアス具合が上昇している。前回の記事で最高は15羽だと書いたが、その後、コツがわかってきて急速に取り方がうまくなり、数日前に39羽取ったのを皮切りに昨日は42羽、今日はなんと65羽も捕獲に成功した。コツがわかると捕ること自体が面白くなってきた。

捕ったアッパリアスは捕って遊ぶのが目的なので、その場に捨ててしまう、というのはウソで、もちろん家で夕食のおかずにして、残りは極夜探検の食料にするため干し肉にしている。今月下旬から山口君とカヤックでカナダに冬の本場のデポを作りに行くが、アッパリアスの干し肉も大量に持ち込む予定だ。

アッパリアスは小さな水鳥で、夕食にするときは、捌かずそのまま鍋に入れて塩ゆでにして、ゆで上がってから羽を毟って内臓まで食べる。最初はたべるところも少なくて面倒くさかったけど、最近はどういうわけかやたらおいしくなってきて、猟場から帰ってくるときは塩ゆで肉が楽しみで仕方がない。夕食のおかずは5、6羽といったところで、残りはむね肉を身体からちぎって、糸に通して外の吊るせば4,5日で干し肉になる。一羽当たり胸肉の干し肉は20gぐらいしかないが、まあ、300羽分ほど作れば六キロになるので、このペースだとそこそこの量になりそうだ。

鳥を捌きながら、毎日、TBSラジオのポッドキャストを聞いているのだが、安保法制の国会審議のニュースを聞くたびに安倍政権の横暴に腹を立てている。

先週の憲法審査会で憲法学者が自民推薦も含めて、三人とも法案は違憲と述べたが、それを受けての中谷防衛大臣の答弁はほとんど狂気としか思えない。憲法学者という専門家が違憲だと判断しているのに、政府は自分たちが合憲だと判断したから合憲だと、ほとんど意味をなさない答弁をしていた。

私が危惧しているのは、この法案が通れば戦争になるとか平和じゃなくなるとか、そういうことの前に、このような本来政府権力を縛る憲法すら恣意的に解釈して、どこまでも己(と米国の)の都合のいいようにふるまう政府がこれ以上、権力を強めると、そのうちわれわれ国民の自由や権利を踏みにじる挙動に出ることは明らかであるように思われることだ。

安倍晋三というのはつくづく卑怯な男だと思う。選挙のときは安保関連の話にはまったく触れず、争点をアベノミクスでワンイシューみたいなことを言って、大勝したら、われわれはすでに国民の審判を得たと言っているし、こんどの法案の説明でも自衛隊員にリスクはないなどと詭弁を弄して、また国民をだまして法案を強引に通そうとしている。首相の前に人間の性質として非常に問題があるでしょ、この人。

それにしても今度の件にかんしても新聞の報道は弱いなあ。昨日、ラジオで田原総一郎も言っていたが、こんな問題、連日一面でガンガン報道していいぐらいの話である。読売、産経はもはや報道機関としての役割を放棄し、単なる安倍晋三応援団と化しているので何も期待できないが、ネットで見る限り朝日、毎日も扱いは不十分にかんじる。菅官房長官が、法案を合憲であると考えている憲法学者もいるって、またいい加減なことを言っていたんだから、政治部の記者を総動員して日本中の全憲法学者にインタビューして、その真偽を確かめるぐらいのキャンペーンを展開すべきだと思うのだが。それぐらいの話だろうと思う、これは。

まったくAKBの総選挙を大々的に報道している場合じゃないよ。大島優子ちゃんだってもう卒業したんだから。

アッパリアスの話を書こうと思ったのに、全然、違うことを書いてしまったじゃないか。あと、ダニの話も書こうと思ったのに、これは書けなかった。


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