ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

北極バカ

2010年02月07日 10時27分16秒 | 探検・冒険
自称北極バカ、荻田泰永さんと新宿で飲んだ。さ来週からカナダ北極圏1400km単独徒歩行に出かけるという。

彼と出会ったのはもう、7、8年前になるだろうか。確か地平線会議で顔を合わせたのがきっかけだった気がする。当時から北極バカですと自分のことを紹介していたが、今回の旅で北極圏は十回目。ここまで来ると北極バカというより、ただのバカの可能性も出てくるが、その分、本物であることは間違いない。でも、そんなに同じ所に行って飽きないのだろうか。「北極は夏になると氷が解けるので、氷の状態が毎年変わるのが魅力」とのこと。聞いてもよくわからんが、極地は行ってみたい。

やはりホッキョクグマが一番怖いらしい。最近は地球温暖化でホッキョクグマの住むところがなくなりつつあります、といった映像がテレビでよく流れているが、「歩いている方からしてみたら、もうちょっと減ってくれても良いのにというくらいいっぱいいます」

来年はいよいよ北極点単独無補強徒歩到達という世界三人目の偉業に挑むそうだ。がんばって欲しい。

   *   *

ドキュメンタリー映画「マン・オン・ワイヤ―」をついに見た。

フィリップ・プティの綱渡りは、冒険が芸術にまで高められた稀有な例だと思う。とても美しかった。ただ年をとり、皮膚の張りが失われた今の彼が同じことをやっても、美しいものとはならなさそう。美しい冒険には、若さというのも必要らしい。


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1 コメント

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8年前では? (わとそん)
2010-02-11 00:45:40
初書き込みです。
ブログは昨年から拝読しております。以前の丸角新聞も覗いていました。最近の雑誌記事(黒百合ヒュッテとか雪崩とか)もチェックしております。

荻田さんと会ったのは、地平線が初めてだとしたら02年7月の「互いに叱咤激励する会」では? 私もその場にいたのでよく憶えています。
おふたりとも、その頃から行動が年々深化して立派になってスバラシイなあ、と、同年代の何もやっていない者からすると感心しきりです。
26日の報告会、地平線通信とともに「きりぎりす vol.10」も再読してから、当然聴きに行きますよ。

ちなみに当方、ここ数年はカンヤさんとも簡単な野遊び等(彼にとっての息抜き兼リハビリ?)で年に数回会っていて知っているので、報告会のことも後日いろいろ伝えておきます。
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