ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

錫杖岳 見張り塔からずっと

2009年10月13日 14時29分06秒 | クライミング
 取材で知り合った群馬県のSさんに誘われ、週末、錫杖岳に行って来た。Sさんの大学山岳部後輩のS君、T君が同行。11日に僕はT君と組んで北沢大滝から錫杖岳本峰につき上げる「見張り塔からずっと」を登った。

 まずは北沢大滝の3、4級の簡単な左壁を3ピッチほど登る。すると左側に緩やかなスラブが現れる。トポを見るとこのスラブを登るみたいだが、その先の中央稜の藪こぎが面倒くさそう。ということでルートを外れ、沢をつめて上部岩壁にアプローチしてみたら、案の定迷ってしまった。これから登る人はちゃんとトポどおりにスラブを登りましょう。

 その後に現れる上部岩壁の最初の2ピッチが核心だ。1ピッチ目は洞穴左のクラックを登るのが一般的らしいが、濡れていていやらしそう。T君はホールドが豊富で乾いているカンテから登った。カムで支点も取れるので、傾斜のある壁を豪快に越えられる。次のピッチはかなり痺れる。凹状のクラックで支点をとり、外傾して湿ったホールドを頼りに右へトラバースするが、左手で甘いホールドに耐えて右足を踏み出すところがいやらしい。その先でクラックがあるのでランナーを固め取りして、ガバが連続するフェースをランナウトして左上する。

 後続パーティーは核心2ピッチを避け、洞穴右のフェースを登っていた。簡単らしいが、この2ピッチを登らないとただの3級が連続するつまらないルートになってしまうような気が……。

 その後は緩いスラブと草つき、ちょっとの岩を登ると頂上へつき上げる。翌日は1ルンゼを登る予定だったが、S君が夕方までに会社へ行かなければならないことになり下山。

 1ルンゼはやっぱ冬に登りたいな。
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