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第9回 ヴァナ・ディール国勢調査

2009年06月23日 02時40分49秒 | FF11
第9回 ヴァナ・ディール国勢調査 (2009/06/22)

恒例のヴァナ・ディール国勢調査。今年は事前アンケートも行われ、その調査も踏まえての結果発表となっている。

○ログイン状況

グラフは常に一定数以上のプレイヤーがログインしていることを示しており、ワールドワイドでサービスを展開するファイナルファンタジーXIの強みである、「ゲーム内に常にプレイヤーの姿がある」状態が維持されていることが見てとれるのではないでしょうか。
この、常に他のプレイヤーとコミュニケーションが取れる環境こそが、コミュニティの活性化に良い影響を与え続けているといえるでしょう。


このように混合サーバの利点を強調しているものの、ヴァナ内外での評価は決して肯定的な意見ばかりではない。FF14では国別のサーバを求める声も高まっており、そうした意見に耳を貸すかどうかが注目される。

また、1日の平均ログイン時間が最も短い「1時間から3時間」が昨年の75%から85%に増加し、平均ログイン時間も昨年の約171分から約126分に45分も短縮している。確かに短時間で遊べるコンテンツが増えたことなども原因だろうが、やはりそれ以上にFF11へのプレイヤーの熱中度の低下は紛れもない事実と言うべきだろう。

○ジョブレベル

レベル75の割合は昨年の12.41%から15.60%に増加。グラフ自体は昨年とほぼ同じ姿だが、レベルシンクやフィールド・オブ・ヴァラーなどレベル上げしやすい環境は整ってきている。惜しむらくは、もう少し早くこのような環境整備ができていればと思わなくもないが。

○ジョブ

アンケートによるプレイヤーのメインジョブ一位は断トツで赤魔道士。優遇ジョブと言われ続け、あらゆるコンテンツに席を持つジョブだけに、この結果は当然と言えそうだ。
実際のデータでは、白赤黒の三色の魔道士が突出した数字を残している。利便性などにおいてこれらのジョブがそれだけ抜き出ていると言えるだろう。
ナイトの人気の高さも興味深い。忍者や赤魔道士に盾の座を脅かされ続けたナイトだが、度重なるてこ入れの末非常に高いジョブ性能を持つに至った。AFなど見た目のかっこよさも含めて人気ジョブらしい結果だ。
アンケートで予想外に健闘したのが8位の竜騎士だ。戦士や暗黒騎士といった他のアタッカーを抑えてのこの数字は驚きに値する。
ゲーム内で10位の吟遊詩人はアンケートでは18位。能力の高さが人気に反映していない。更にコルセアはゲーム内・アンケートの双方で最下位だった。支援系ジョブとして詩人同様評価は高いが、実際にプレイする人は非常に少数派ということになる。確かに銃弾やカードなど費用もかさみ、苦労する割りに報われにくいジョブとも言えるだろう。詩人やコルセアといった支援系ジョブにもっと楽しめる要素を組み込めなかったかという思いは残る。
アンケートやゲーム内データで2%を切るようなジョブは早急にてこ入れする必要があると思うのだが。

○メリットポイント

今回非常に興味深い調査がこのメリットポイントの振り方だ。もちろん振り方の傾向はいろいろと言われているが、やはり実際の数値として出てくるとなかなか面白い。

「HP / MP」は意外とHPも多いなというのが印象だ。もっとMP派が多いと思っていたがそうでもないようだ。

「ステータス」はSTRが圧勝。他はDEXとINTくらいで残りは非常に少数派となった。ヴァナのアタッカー志向の強さの表れと言えるだろうか。

「戦闘スキル」は片手剣がトップという意外な結果に感じられた。片手刀が次ぐのはメリポPTでは未だ忍者の人気が高いせいか。短剣も大健闘で、隠れシーフが多いということなのか。8振りの数だけなら片手刀といい勝負でトップを分け合っているのが格闘。サルベージに席のあるモンクという点が人気の理由だろうか。片手斧が続くのも意外。戦士は両手斧主体へと様変わりして久しいがまだ名残りがあると言うべきか。両手刀・両手槍・両手斧といったアタッカーのメイン武器がようやくその後に続く。両手鎌は射撃にも負けていてかなり予想外の結果だった。
防御スキルが回避一択なのは仕方ないところだ。

「魔法スキル」は弱体魔法と精霊魔法が群を抜く。青魔道士・吟遊詩人・召喚士を上げてなければこの2つで決まりなのは間違いない。

「その他」ではクリティカルヒット率が断トツ。詠唱中断率が被クリティカルヒット率を上回っているが、どちらも体感しにくい要素であることは間違いないだろう。

「ジョブ」のグループ1は既存のジョブアビリティの強化が主体となっており、ほとんど選択されないものがあるのは仕方がないと言えなくもない。だが、グループ2で選ばれない項目というのはやはり実装のバランスがおかしいという証左と言えなくもない。今から見直しは難しいかもしれないが、いくつかのジョブは調整が必要だと思うのだが。
個別のジョブに関しては機会があればまた書いてみたい。

○アイテム

レリック最終段階は1,376増の3,245となった。なかでもイージス、アポカリプスの増加が目立ち、他にマンダウ、天の村雲、ギャッラルホルンも100以上の増加となった。
最も少ないレリック武器は両手棍のクラウストルムの19。片手斧ガトラーの22がそれに次ぐ。

ミシックウェポンはナイトのブルトガングの14が突出している。戦士のコンカラーの6が2位で、青魔道士のティソーナの4が3位。3で続くのがカルンウェナン(吟遊詩人)、小鴉丸(侍)、ヤグルシュ(白魔道士)。
また、アイムール(獣使い)、竜の髭(竜騎士)、トゥプシマティ(学者)、ガストラフェテス(狩人)、デスペナルティ(コルセア)は調査時点ではヴァナには存在していない。
ミシックウェポンはレリックと異なり武器ごとの取得難易度には差がないため、能力や人気を反映しやすいと言えるだろうか。

○合成

「ギルドポイントと交換できるアイテムの存在数」が注目。「印可以上のキャラクター構成比」と比較して必ずしも多い合成のアイテムが交換されているわけではないところがポイントだろう。納品のしやすさやアイテムの必要性などがかえり影響していると思われる。他は非常に少ないのにメガネ目的で彫金を上げているプレイヤーの多さも目立っている。

また、ヴァナ最難関クエスト「折れぬ魂」の報酬である恵比寿釣竿の全ワールド現存数941と発表された。この数が多いのか少ないのか判断は分かれそうだが、レリックやミシックを得るのとは違う凄さを感じる数字だ。

○経済

アンケートを元にした分析。週の収入は5万ギル以下が54%を占める。自己申告ではあるが、一般プレイヤーの現実と言えるだろう。
正直1000万ギル以上といった答えは信憑性に欠けるので、~500万ギルあたりまでを参考に見たい。戦利品の売買というプレイヤーは実質金策していない、あるいは素材狩り主体ということになるが、週給が増えるに従い割合も減っていく。金策として非効率な手段であることは間違いないだろう。
一方、週給が増えるに従い増えていく手段が、合成、栽培、チョコボ掘りあたりだ。安定した金策として向いているのは間違いない。ただ、コメントにもあるように一定の週給以上になると合成以外の割合は減少する。また、ロット権の売買は現在のヴァナの需要から見てかなり割りのいい金策手段と見なせるかもしれない。

支出では、性能を重視して選んだ装備品がどの週給でもトップといった感じだ。やはり装備集めがこのゲームの主体と言うことができる。他で目立つのは、特定の装備品を入手するために必要なアイテムの購入費用で、トリガー購入→外販という流れがヴァナ経済に根付いてきていることを示している。

○リンクシェル

アンケートから複数のリンクシェルを使い分けている現状が改めて確認できた。雑談系のリンクシェルから、コンテンツ攻略用のリンクシェルとの併用へと変わっていく状況はここ数年のヴァナの常識と言ったところだろう。
加入のきっかけで、フレンドから誘われたが最も多いのも実感できる点だが、特に複数のリンクシェル所有者でそれが多いのは、野良募集よりもフレンド繋がりでメンバーを増やすタイプの攻略系LSが多いということだろう。

今回最も興味深かったのは、リンクパールの色についての調査だ。”2009年5月下旬の時点で、全ワールドを通してひとつも存在していないリンクシェルのカラー”や、”リンクシェルのカラーで多かった上位10位”といった結果は非常に面白かった。

○拡張データディスク

拡張データのミッション進行度の変化だが、目に付くのはプロマシアの呪縛のクリア数増加だろう。レベル制限下で装備品をそのまま着ていられるようになり、着替えの必要性が減少したことが大きな影響を与えたことは間違いない。

○プレイヤーの声

ここではGMコールやスペシャルタスクフォースについて述べられている。スペシャルタスクフォースの活動報告が最近なかったので今回はその代わりのような形になっている。
基本的にスペシャルタスクフォースの活動により不正活動等の報告数は減少している。ただ最近非常に多い、テルによるRMTサイト広告については、”抜本的な解決へ向けた対策を鋭意開発中”だそうだ。




これまでにあった種族やフェイスタイプに関する調査はなくなったが、全体的によく掘り下げられた調査だったと思う。しかし、今後FF14の開始などFF11を取り巻く環境は大きく変わっていきそうな現在、この調査をこれからのヴァナにどう生かしていくのかといった視点が欲しかったように感じられた。特にジョブの調査結果はただ数字のみでなくプレイヤーの想いを汲んで開発に生かして欲しいところだが果たして期待していいものかどうか不安が大きいのも事実だろう。

MMORPGでは作り手とプレイヤーとのコミュニケーションのあり方が問われる。少なくともFF11はそこで躓いた。ゲームの質の高さやいくつかの幸運に助けられ成功と呼べる結果を残したとはいえ、FF14が同様の結果を得られるとは限らない。いろんな意味で次回の国勢調査が重要に感じられるが果たしてどういったものとなるのだろうか(或いはあるかどうかさえ不安だけれど)。