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アニメ感想:蒼天航路 第1話「少年 曹操」

2009年06月24日 21時50分54秒 | 2009春アニメ
関西ではおよそ1クール遅れてのスタートとなった。原作コミックは全36巻中24巻まで読んだ。

少年時代の曹操の2つのエピソードを描いた第1話。曹操を主人公とした破天荒な三国志である原作の魅力が、残念ながら伝わってこない印象を受けた。そこで、原作を読み直してみたところ、アニメよりも遥かに躍動が感じられた。

ストーリーは原作に忠実だが、最も肝心のところを削ぎ落としてしまい、本来の面白さを失わせている。例えば最初のエピソードでは、曹操と曹仁との会話が削られてしまった。曹操の祖父である中常侍の賄賂に関する曹操の評価は、単純な善悪で測れない彼の姿が描かれた最初の場面ということになる。もう一つのエピソードでも、許褚とのやり取りや、夏侯惇らとの軍議が大きく削除され会話のやり取りの面白さがなくなってしまった。

しかし、それ以上に損なわれたのが動きの迫力だ。アニメも動きが悪いわけでは決してないが、演出のメリハリに欠けているため生かし切れていない。コミックのダイナミズムをアニメで表現するのは難しいが、静と動の使い方がより印象的な動きを作り出すこととなる。動きでコミックに負けているようでは何のためにアニメ化したのか分からなくなってしまう。『クイーンズブレイド 流浪の戦士』も見せ方の下手なアニメだったが、同じような印象をこの作品からも受けてしまうのは残念だ。

なお、原作は水晶登場から記憶に残っていたが、正直アニメではそこからスタートしても良かったようにも感じた。