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アニメ感想:クイーンズブレイド 流浪の戦士

2009年06月18日 23時16分47秒 | 2009春アニメ
エンディングで第2期の告知が入るのは、『ドルアーガの塔~the Aegis of URUK~』がやってみせた手法。ストーリー的には女王の街ガイノスにようやく到着して本番はこれからといった感じ。

1期全12話を見た最も大きな謎は、なぜこの作品を最後まで見てしまったのかということ。正直、ストーリーと演出は最低のレベルに感じられた。バトルヒロインたちがエロく戦うという点が最大の売りなので、もともとストーリーには期待はしていなかった。しかし、そうした作品本来の魅力を損なうほどにストーリーや演出の出来はひどかった。
例えば、主人公であるレイナの抱える悩みは余りに子どもっぽくて全く共感できず、それを軸としたシナリオ全てがバランスを欠いているように見えた。また、彼女の強さも見ているものに伝わってこない。急に強くなったり、弱くなったりするし、そのことが他のキャラクターの強弱関係を分からなくしてしまった。
もう一人のヒロインであるトモエに至っては、終盤は完全に存在感が薄れてしまっていた。結局バトルシーンなどの演出もメリハリを欠いて盛り上がりが見られず、エロしか残らないアニメとなってしまった(それだってあくまでも裸がたくさん出てきたという意味でのエロさに過ぎない)。

キャラクターは多彩でそこに人気声優をあてがい、大胆な裸のオンパレードは確かに一線を越えていたかもしれない。しかし、『一騎当千』シリーズのようなバトルやキャラクターの掛け合いの面白さはそこにはなく、安っぽい姉妹の昔話の描写など作品本来の魅力を阻害するような演出ばかりが目に付いた。
キャラクターの登場シーンにもっとケレンを持たせたり、強さの演出をもっと派手にした方が盛り上がっただろう。リアリティの微塵もない馬鹿げた物語なのだから、もっとストーリーや演出も馬鹿になって暴走すれば全く違った評価の作品になっていたと思う。
『クイーンズブレイド』という原作の魅力、特にキャラクターの魅力を引き出すことなくただ漫然と描いてしまったという意味で失敗作と言ってもいいだろう。アニメは演出こそが命と最近思っているが、演出によってここまで酷くなるという反面教師のような存在に感じてしまった。

だが、問題はそれほど酷い演出やストーリーなのになぜ最後まで見てしまったのかということ。ひとつには、そのダメさ加減にツッコミを入れずにいられなくてつい見てしまうという理由がある。ただ作り手の自己満足全開のアニメはいくらでもある。この作品だけの特徴とは言えない。
効果的な演出は得られなかったが、それでも個性的なキャラクターの馬鹿馬鹿しい存在感がつい見てしまうきっかけにはなっただろう。これだけのキャラクターがいるのだから、もっと面白くなったはずなのにという思いは強く残る。

エロスに関しては、裸だからエロいというわけでもなく、想像をかき立てるような描写も少なくて、あまり感じられないというのが正直なところ。無修正のAT-X版を見てこれだから、地上波などの修正版ではどう思うかはおして知るなりといった感じか。同じスタッフで2期を作られても果たして見るかどうか微妙なところだ。