「のだめカンタービレ」17巻

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パリ編ではギャグ要素が薄まりストーリー性が強く押し出されるようになったが、千秋の父の登場でそれにますます拍車を掛けることとなった17巻。

以下、ねたばれ。

物語的には、千秋が父と同じ轍を踏むかどうか、それをのだめが防げるかどうかって感じになっているように見える。
構図は単純だ。仕事を通しての自己実現の達成と、プライベートな幸せ、そのどちらを優先するのか。千秋の父はプライベートを切り捨て、自分の仕事を選んだ男だ。そして、仕事の面ではピアニストとして成功を収めている。
この選択はもちろん二者択一ではない。ただし、局面局面では二者択一となる。そうした判断の積み重ねの末、どちらか、あるいはどちらも手に入れられないこともありうる。
千秋はそれに無自覚ではない。むしろのだめが自覚してないがゆえにすれ違っている。のだめには直感があるので、それによって救われてハッピーエンド、、、という展開を期待したいところだが。
ちなみに、直感とは、論理でなく閃きによって正解にたどり着く能力だ。通常は観察や経験、論理の積み重ねによって磨かれて働く力だが、なかにはそういう努力なしに閃きを得る人もいる。のだめはそういう人物に描かれている。

『三國志10』クリアインプレッション

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ぼちぼちとプレイしていた『三國志10』がクリアできたので、とりあえず感想を。

久しぶりの「三國志」だったが、曹操で君主となってからは簡単に統一までたどり着いた。CPUがシステムについていけてない感じで、今回は初級だったが上級でも頭の悪さは変わらなそうで、物足りなさがないわけでもない。
ただし、10は君主だけでなく、様々な身分でプレイできる。単純に天下統一を目指すのではなく、自分なりの目的を見つけて、この時代を生き抜くような遊び方ができるところに特徴がある。例えば、自分の仕える主君を天下の覇者にするとかなら、難易度は非常に高くなるだろう。

このゲームにおける制約は距離である。南にいるときに北で侵攻されれば、そこに行くまでに街が落とされているかもしれない。移動に時間が掛かるこの制約がこのゲームの肝となっている。別の街で内政をするように命じた場合もその武将が移動する時間がかかるため、遠方の場合はかなり時間が掛かる。中盤以降、遠くの街の「捜索」がおろそかになるのは必然だ。
内政に関しては太守を任命して任してしまえば問題はあまりなくなる。距離の問題は、太守への指示においては無効となっている。もうひとつ、大きくゲームバランスに関わっているのが、輸送だ。金や兵糧、部隊を街から街へ移動させるとき、瞬時に実行される。この影響はかなり大きく、君主でのプレイならば少人数で相当早いクリアも可能だろう。これが時間が掛かるシステムだったら、逆にかなり難易度が上がっていただろう。どちらがよかったかは分からないが、君主プレイの難易度を著しく下げたことだけは間違いない。
一方で、伝令のようなシステムが欲しいと感じた。武将の移動には時間がかかるため、移動中の武将に伝令を出して、ほかの事もさせたりと、いろいろと面白そうな展開が望める気もするのだが、残念なことにそれはできない。

まあ難易度が低いということは手軽に遊べるということでもあるので、まだいろいろと楽しみたいと思っている。悪逆非道なプレイとかね(笑)。