白夜の炎

原発の問題・世界の出来事・本・映画

オリンパスの闇-FPより

2011-11-08 17:23:54 | 産業


「オリンパスが露にした日本の悪い面   2011.10.21(金)    Financial Times

(2011年10月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 今にして思うと、マイケル・ウッドフォード氏は、オリンパスの今年のアニュアルリポートで自らの失脚を予言していた。「『変化』というのはシンプルな言葉だが、その変化の実現に成功しようと思ったら、会長と極めて緊密な関係を持っていなければならない」

 そのため、オリンパスの前CEO(最高経営責任者)が先週、会長の菊川剛氏に、買収に伴う評価損計上や得体の知れないアドバイザーへの手数料に13億ドルを注ぎ込んだ「恥ずべき物語」を理由に辞任を求めた時、ウッドフォード氏はどんな結果になるか予測できたはずだ。同氏は解任され、空港へ行けと言われることになった。

 オリンパスは今回の出来事を、「他の経営陣との乖離が生じた」ずけずけと物を言う西洋人と、合意に基づく慎重な企業との文化的な衝突として説明しようとした。だがこれは、ほかの日本企業の品位を侮辱する、つじつま合わせの作り話だ。

 オリンパスでは、ひどく厄介なことが起きた。取締役会にその能力がない以上、徹底的かつ独立した調査が行われるべき問題である。菊川氏と他の取締役は、彼らがこれまでに提供してきた説明よりもはるかにきちんとした理由を提示する必要がある。さもなければ、自分たちが辞任するしかない。


文化的な衝突とは関係のない教訓

 オリンパス事件には他の日本企業にとっての教訓もあるが、日本の文化や、日々の経営の中でチームワークと調和が優先されることとは関係がない。むしろ、取締役会の運営方法における構造的な問題に関係している。

 このことは、2007年に9億3500万ポンドで買収した英国の医療機器メーカー、ジャイラスを含む一連の企業買収でオリンパスの現金がどれだけ浪費されたかについて、ウッドフォード氏の依頼でプライスウォーターハウスクーパース(PwC)がまとめた報告書への取締役会の反応でも明らかだった。

 オリンパスは、さらに突っ込んで調査するどころか、議論を避け、ウッドフォード氏の解任を全会一致で採決した。

 オリンパスの取締役会の構成や株主構成を考えると、別の結果が出る可能性はほとんどなかった。15人の取締役のうち12人は菊川氏に忠誠を尽くす幹部であり、同社の株式の60%は、問題を起こすのを嫌がることで有名な日本の金融機関か、その他の日本企業によって保有されている。


利害関係者の「離脱、発言、忠誠」

 経済学者のアルバート・ハーシュマン氏は40年前、組織の衰退に直面した人は「離脱、発言、忠誠」のいずれかで反応すると論じた。ウッドフォード氏は発言し、オリンパス取締役会は忠誠心を示し、株主は静かに離脱した。同社の株価は、取締役会が開かれた14日以降、41%下落している。

 ウッドフォード氏は、8カ月前にオリンパスの欧州法人社長から昇進する以前に同社で行われたことを無視することも簡単にできたはずだ。大半の幹部であれば、そうしただろう。日本の雑誌FACTA(ファクタ)が今夏報道した不正行為と違法行為疑惑が本当かどうか調査するのは会長の責任だった。

 一連の買収で菊川氏が果たした役割によって、その可能性が排除されたため、ウッドフォード氏は自身で調査し始めた。菊川氏は、日本人の幹部がやらないような方法で会社を刷新するために、日産自動車のカルロス・ゴーン氏やソニーのハワード・ストリンガー氏のような外部の人間が欲しいと話していたが、菊川氏は明らかに部下を過小評価していた。

 ウッドフォード氏は頑固だ。「私は非常に意固地になり、大口をたたき、強情ではっきり物を言うことがある」。同氏は先月、在日英国商業会議所の会報でこう語っていた。

 芝居がかったところもある。「恐ろしかった。手が冷たくなり、じっとりと湿った」。ウッドフォード氏は本紙(英フィナンシャル・タイムズ)のビデオインタビューで、同氏が「組織犯罪とゆすり」と解釈する「反社会的勢力」の関与を示唆するファクタの憶測に言及しながら、こう語った。


どんな基準で見ても異様な手数料

 それを示す証拠はないが、明らかになっている事実それ自体が深刻な問題を提起している。ウッドフォード氏に代わって、PwCはジャイラスの買収と、当時ニューヨークに本拠を構えていたほぼ無名の投資顧問会社AXES(アクセス)の役割を調査した。

 オリンパスは結局、アクセスと、同社系列でケイマン諸島に登記しているAXAM(アクサム)に6億8700万ドルの手数料――買収価格の36%――を支払うことになった。

 これは、日本、英国を問わず、どんな基準で見ても異様だ。それに引き換え、オリンパスが、ジャイラス買収で別途起用したブティック型投資顧問会社ペレラ・ワインバーグに支払った手数料は約500万ポンドだった。ウォール街のM&A(企業の合併・買収)会社が割安な報酬しか受け取っていないように見える時は、何かがおかしい。


 一方、オリンパスは、電子レンジで使用するタッパーウェア型の調理器具を販売している会社を含め、日本の零細企業3社に極めて過剰な金額を支払っていた。オリンパスは結局、最後の支払いが終わった直後に、7億7300万ドルの買収費用のうち5億8600万ドルを減損処理することになった。

 これらは、現在の時価総額が50億ドルの企業にとって非常に大きな金額で、オリンパスが今試みているように、運の悪さや人的な誤りのせいにできるものではない。同社は、悪いことは何もしていないと主張しているが、これまでのところ、一連の出来事に対するきちんとした説明は一切行っていない。


 その職務に「経営陣の日々の活動を監査すること」が含まれているオリンパスの監査役会にも、株主にも、規律を課す兆候は見られない(同社の株式を売ること以外)。アジア・コーポレート・ガバナンス協会(ACGA)が日本に関する報告書の中で指摘していたように、「取締役たちの内輪の派閥、あるいは社長の決定にはめったに異議が申し立てられない」のである。


 オリンパス経営陣が変革できなければ、日本が傷つく

 ウッドフォード氏は無謀にもそれを試み、日本の不透明なコーポレートガバナンス(企業統治)のシステムが同氏を潰した。

 「もしあなたがフランス人で、日本に来たとしたら、ほんの少しでも制度を変えられる可能性は全くない、ゼロだ」。カルロス・ゴーン氏は自身の回顧録『Shift』の中でこう書いている。英国人でも、それは同じだ。

 今は変革を起こすべき時だ。菊川氏がそれをしなければ、そして、オリンパス取締役会が会社や投資家の利益よりも個人的な忠誠を優先させるのであれば、日本が傷つくことになる。


By John Gapper」

オリンパスの影-ウッドフォード氏が現経営陣の責任に言及

2011-11-08 17:10:44 | 産業
「オリンパス損失隠し、見えぬ全貌 市場に不信

「オリンパス現経営陣にも責任」 ウッドフォード元社長  「買収の異常さ指摘に対応せず」   2011/11/8 15:10

 【ロンドン=松崎雄典】

 オリンパスの元社長マイケル・ウッドフォード氏は8日、オリンパスが開いた記者会見後に日本経済新聞社の電話インタビューに応じた。

 買収が証券投資の損失の穴埋めに使われていたことなどを高山修一社長が知らなかったと発言したことについて「私が買収の異常さを手紙などで伝えていたのに何ら対応しなかった。現経営陣にも責任がある」と批判した。

 高山社長はこれまで菊川剛前会長の主張を引き継ぎ、買収は適正だったと説明してきた。ウッドフォード氏は損失隠しを特定したわけではないが、買収金額やファイナンシャル・アドバイザーの不明瞭な点について、菊川氏らから、回答が得られないことを取締役会に伝えていた。」

 「私が買収の異常さを手紙などで伝えていたのに何ら対応しなかった。現経営陣にも責任がある」。この言葉は重いと思う。

 本当にこのような重大な案件を知らなかったのか。

 あるいは何か変だと思ってもあえてふれないことで経営陣に迄登ることができたのか。

 そして「ベンチャー」と表現される三企業。この企業の実態について日経などが調べてくれればよいのだが。

 そして長年にわたる粉飾を「見抜けなかった」監査法人にも問題があろう。

 あるいは「お客様」であるオリンパスのお仕事をさせていただいている監査法人では、本当の監査等不可能だということを改めて示しているのだろうか。

 せっかくしっかりした技術と長年のファンを持ってきた企業なのに、怪しげな経営が全てをダメにしつつある。

 ウッドワードを社長に復帰させ、徹底して調べあげ、必要な刑事訴追は徹底して行う。

 これしかないような気がする。

オリンパス記者会見

2011-11-08 14:35:58 | 産業
「オリンパス、菊川前社長ら刑事告発も 社長会見 ―損失隠しの責任者「菊川氏、森氏、山田氏」

2011/11/8 13:14

 オリンパスは8日、問題になっている過去の企業買収で支払った多額の報酬や買収資金が、同社の証券投資の損失を解消するために使われていたと発表した。同日の取締役会で森久志取締役副社長執行役員を副社長執行役員から解職すると決議した。

 都内で記者会見したオリンパスの高山修一社長との主なやりとりは次の通り。


 ――いつからどれくらいの規模で損失隠しをしていたのか。

 「1990年代ということは分かったが、昨日の段階では、第三者委員会にすべての資料は提示できていない。かなり夜遅くまでやったが、数字はまだ答えることはできない」

 ――森久志氏、山田秀雄氏以外は関わっていなかったのか。

 「菊川剛前会長兼社長、森、山田の三人だ。第三者委員会の中で調査を始めてもらっている。その他の責任のある人間がいれば報告する」

 ――なぜこのタイミングで公表したのか。

 「10月27日に私が『適正だ』と発表したが、昨日、森副社長から損失先送りがあると報告があり、極めて重大な事実だと判断し発表した」


 ――菊川氏の処遇は。

 「菊川氏は前回解職した。今後は第三者委員会の調査で、3人以外に広がる可能性もあり、損失先送りの詳しい内容も判明する。その時点で改めて責任者の処分があるかもしれない」

 ――ウッドフォード元社長の処遇は。

 「現在、解職をしているが変える予定はない」

 ――粉飾決算の認識は。

 「大変不適切な処理をしてきたのは事実。中間決算の発表をできるように進めているが、それ以降どうなるか分からない」

 ――上場廃止の可能性を認識しているか。

 「上場廃止にならないように、全力を挙げて努めたい」

 ――具体的には誰の指示で行われたのか。

 「先ほど言った関係者がやっていた。私は昨日の報告まで知らなかった」

 ――責任のある3人の刑事告発は考えているのか。

 「必要があれば考える」

 ――資金が反社会的勢力などに流れた可能性は。

 「森氏の報告によると外部には流れていない」

 ――高山社長の責任は。

 「私はオリンパスを愛している。いろいろな事業を担当してきたが、このような事態になったが、事業は毀損していない」

 ――株価は大きく下がっている。

 「株式価値は下がったが、お客様などに提供できる価値は下がっていないと認識している」

 ――これまで「適正だ」と繰り返してきたが、なぜか。

 「私は事実をまったく知らなかった。前回の発表は間違いだった」」

暴排条例推進の警察庁長官が早期辞任

2011-11-08 13:45:11 | 社会
「全国警察組織のトップで、暴力団対策の陣頭指揮を執ってきた警察庁の安藤隆春長官が勇退することが14日に決まったが、その理由についてさまざまな憶測が飛び交っている。

 10月から東京でも施行され、暴力団対策の決め手ともいわれている暴排条例だが、芸能界では暴力団と接点のある可能性があるタレントの起用を控える動きが顕在化するなど、さまざまな業界でその対応が活発化している。しかしその一方で、現場ではいまだに「具体的に何をしたらアウトなのかよく分からない」といった戸惑いの声も多く聞かれる。

 暴排条例では、暴力団員やその密接交際者と認定されると、銀行取引を停止されたり、不動産の賃貸契約もできなくなるなど、通常の日常生活も困難になるような厳しい状況に追い込まれる。密接交際者と認定されると氏名を公表される可能性もあるが、たとえ暴力団員との交流を繰り返したとしても、それ以外に不法な行為をしていることを特定できない人物の人権をそこまで制約できるのかという問題や、そもそも"密接"の基準が明確ではなく、その最終的な判断は「事実上、警察の胸先三寸で決まる」(警察関係者)という問題もある。

 また、条例施行前から警視庁には、元暴力団員から「マンションの契約更新をしてもらえなかったが、俺たちはどうしたらいいのか」といった相談が寄せられたりもしているという。

 そうした状況下、芸能界などで誰が"条例適用第1号"となるのか注目を集めているが、警視庁ではすでに摘発に向け、「切符(逮捕状)を取る動きが活発になっている」(同関係者)という。

 摘発が行われた場合、それに伴ってさまざまな問題が表面化する可能性もあり、「山口組が、『暴排条例は基本的人権を不当に制約する憲法違反だ』という裁判を起こす準備を密かに進めている」(同関係者)との話もある

 安藤長官は、自らの出身地である愛知県を本拠地とし、現在の山口組の中核組織といえる弘道会の摘発に力を入れるなど、暴力団対策を強力に進めてきたことで知られる。任期は来年3月までだったため、それまでに「どれだけ成果が出せるのか」と注目されていた。

 それだけに、今回の唐突な勇退は少し不可解で、「何かスキャンダルがあるのでは」「健康問題でも抱えているのではないか」といった憶測も飛び交っているのだが、前出の警察関係者は、こう語る。

「暴排条例による摘発などが具体化すればさまざまな問題が起こり、安藤長官にも火の粉が降りかかる可能性がある。万が一、現職の長官が辞任でもする事態になれば、それは警察組織全体の失態になってしまう。そのため、トラブルが顕在化する前にトップを変えたのではないか。次の長官は直接の当事者ではないので、たとえ何か問題が起こっても、個別に対応するだけで済みますからね」

 現場に近い警察関係者までこうした見方をするのは、今回の暴排条例について、警察のトップを含めた上層部と現場の認識にもさまざまなギャップがあるからともいえそうだ。

 ちなみに、関東の広域暴力団関係者は一連の動きについて、こう語る。

「関東の組織は昔から、山口組のように裁判を起こすとか、表立ってお上に逆らうような動きはしない。それでも暴排条例について、うちうちでは『あれは憲法違反だろ』といった話はしているけどね」

 また今後については、「確かに表立った動きはしにくくなったが、だからといって我々の"仕事"がなくなるわけじゃない。目立たないよう動くだけだ」とも話す。

 安藤長官は暴排条例だけでなく、暴力団対策法の改正にも取り組むなど暴力団対策に力を入れてきたが、万が一、暴排条例が憲法違反と認定でもされたら、暴力団対策が後退してしまう恐れまであるのではないか......。

 暴排条例に基づく摘発はまもなく表面化するとみられるが、安藤長官勇退の真相も含めて、今後の動向がますます注目されることになりそうだ。
(文=ジャーナリスト・杉原章一)」

普通に考えれば―オリンパス事件

2011-11-08 13:35:46 | 産業
「オリンパスが損失隠し=90年代から長期に-副社長を解任

 オリンパスは8日、1990年代ごろから有価証券投資などの損失計上を先送りしていたと発表した。解任されたマイケル・ウッドフォード元社長が問題視している英医療機器メーカーの「ジャイラス」や健康食品会社など国内3社の買収は、含み損解消の手段だったとしている。

 長期間にわたり損失を隠し続けていたとして、買収当時の菊川剛社長(現取締役)らの責任が厳しく問われるのは確実だ。

 オリンパスが決算を粉飾した疑いが浮上したことを受け、証券取引等監視委員会は金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)に当たる可能性もあるとみて、調査を進めている。同社はこれまで、過去の企業買収で「違法、不正な点があったという事実はない」としていた。

 また、同社は8日の取締役会で、損失隠しに関わったとして森久志副社長を解任した。7日夜に同副社長から報告を受けたという。ほかに菊川前会長兼社長と山田秀雄常任監査役が関与していたとしている。(2011/11/08-13:16)」

 オリンパスの企業賠償その他の行為の背景には、反社会的勢力の影が見える。

 社長は否定しているようだが、特に国内の産廃業者3社の買収はどう考えても異常だ。

 事件の徹底解明を求めたい。

総合資源エネルギー調査会基本問題委員会(第3回会合)

2011-11-08 12:31:28 | 原発
「2011年11月9日(水)18:30~「総合資源エネルギー調査会基本問題委員会(第3回会合)」が開催されます。

議題は「エネルギー基本計画の見直しについて(ベストミックスと原子力の位置づけ、国民視点からのエネルギー政策等)」について。

当室の伴英幸も委員として参加します。

(株)ドワンゴ( http://live.nicovideo.jp/ )がインターネットライブ中継を行う予定です。

詳細は経済産業省ホームページでご確認ください。

◆総合資源エネルギー調査会基本問題委員会(第3回会合)-開催通知

 http://www.meti.go.jp/committee/notice/2011a/20111102006.html

タイの水害―バンコク週報より

2011-11-08 12:26:46 | アジア
① 11/6

 バンコク都庁、政府に最終通告


 スクムパン都知事は11月5日、「洪水対策で政府が都庁の要請を無視している」として、政府が7日までに協力する姿勢を示さない場合、政府の指示を無視して都庁独自の洪水対策を実施する構えを明らかにした。

 政府の洪水対策本部「水害被災者救援センター」がバンコクを洪水から守るうえで適切な対策を打ち出せていないこともあり、最大野党・民主党幹部のスクムパン都知事は、洪水問題への対応で政府とそりが合わない状態が続いている。

 都知事は、「1週間ほど前から排水ポンプを増やし、排水作業を迅速化するよう求めているが、センターはなにもしていない。48時間以内に前向きな返答がなければ、(センターの指示に基づいた)現在の洪水対策を見直さなければならない」としている。


② 11/7

 政府、都庁に排水ポンプ提供


 政府の洪水対策本部「水害被災者救援センター」は11月6日、スクムパン都知事の要求に屈する形で、浸水区域が日々拡大しているバンコクで排水作業を強化するためポンプ24台をバンコク都庁に提供した。

 これらポンプは、同都知事が「48時間以内に前向きな返答がなければ、政府の洪水対策に従わない」と迫って提供を求めていたものだ。

 都知事によれば、センターからのポンプ提供で、バンコク東部での排水能力が2倍にアップ。これで主要道路は2週間以内、小路も1カか月程度で排水が完了する見通しという。


③ 11/7

 中銀「被害は予想以上に甚大」


 記録的な大洪水で経済的損失が拡大していることから、タイ中央銀行は10月、今年のタイ経済成長予測を4・1%から2・6%に下方修正したが、プラサン中銀総裁はこのほど、「サプライチェーンへの影響は予想を上回るもので、経済的損失は当初の見通しより拡大する可能性がある」との見方を示した。

 タイ北部では、洪水に見舞われなかったエリアでも部品が調達できないなどの理由で操業停止を余儀なくされている工場が少なくない。

 同総裁は、「以前に比べてサプライチェーンは細分化している。これがダメージを受けることによる間接的損失がどの程度になるかは予想が難しい」としている。


④ 11/7

 道路かさ上げで対策本部に批判


 水害被災者救援センターが設けられているウィパワディ・ランシット通りラートプラオ交差点の高層ビルの周辺では水位が上昇しているにもかかわらず、政府はセンターの再移転に否定的な姿勢をとっていることから、一部エリアの水位が上昇し、住民からセンターを批判する声があがっているという。

 水位上昇の原因は、センターに車で通う政府首脳のためにドンムアントールウェイ出口からセンターまでの道路が砂利や大きな土のうで1メートルほどかさ上げされたこと。

 これによって周辺エリアでは水が行き場を失って水位が上昇しているとのことだ。


⑤ 11/7

 タイ空港社、「スワンナプームは安全」


 スワンナプーム国際空港を運営するタイ空港社(AOT)幹部は、「タイのメイン空港はスワンナプームで、タイ国際航空所有のエアバスが浸水したのはドンムアン空港。メイン空港は通常どおり機能しているのに、浸水した航空機の印象が強いせいで、まるでバンコクの航空交通すべてが機能を失ったかのように誤解されている」と不満を漏らす。

 スワンナプーム国際空港の水害対策について同幹部は、「高さ3・5メートルの防水堤をめぐらせており、強度も十分。先日は高速道路局担当者がその安全性を確認したばかりだ」と説明。さらに、万が一に備え、施設周囲への排水機能も万全という。

 また、同空港と市街を結ぶ高速鉄道、エアポートレールリンクや高速道路などは、堤防よりさらに高い位置にあるため浸水の影響はないとしている。


カンボジアも水害

2011-11-08 11:42:23 | アジア
「カンボジアも大洪水、150万人が支援待つ

カナロコ 11月7日(月)23時30分配信

 タイの隣国、カンボジアも大洪水に襲われ、住宅や水田が広範囲に水没するなど深刻な状況になっている。国際支援のNPO法人「日本国際ボランティアセンター」(JVC、東京都台東区)は、米の配布など住民への緊急支援を行ったほか、種もみや野菜の種の配布を検討しており、募金を呼び掛けている。

 カンボジアは先月末の政府発表で、約150万人が家屋、田畑の浸水被害を受け、247人が死亡。約23万ヘクタールの水田が収穫を見込めず、さらに40万ヘクタールで水没が続いている。種もみ不足による来年の米の作付けができない懸念も出てきた。道路は3千キロ以上がダメージを受けているという。

 北西部のシェムリアップ州で農村への支援活動を行っていたJVCは、政府の支援が届いていない約310世帯に1世帯20キロの米の配布を行ったほか、家畜の雨よけ用の簡易テントシートを439世帯に配布するなどの支援を行った。

 JVCは、当面の食糧対策として今月から来年2月まで、野菜の種の配布と育て方研修の実施を検討。来年5月には、作付けのための種もみの配布も検討している。JVCカンボジア駐在員の坂本貴則さんは「タイだけでなく、カンボジアも大洪水でひどい被害を受けている。カンボジアの貧しい農家への支援をぜひお願いしたい」と話している。

 問い合わせは、JVCカンボジア事業担当電話03(3834)2388。寄付は各種の方法が可能で詳細はホームページ(www.ngo-jvc.net)に。 」