酔眼独語 

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鳩山献金の不可解

2009-10-08 06:10:36 | Weblog
 またぞろ、鳩山由紀夫の政治団体の虚偽献金をめぐる報道が増えてきた。衆院選が終わり、東京地検特捜部が動き出したことに力を得た格好だ。各紙とも独自ネタをつかみ、あれこれ書き立てている。

 《鳩山首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」の偽装献金問題で、同会の会計担当の元公設第1秘書(解任)が鳩山首相側の内部調査に対し、寄付者を記載する必要がない政治資金収支報告書の5万円以下の献金についても、「鳩山首相の個人資産を充てた」と虚偽記入を認めていることがわかった。

 鳩山首相側は元秘書から聞き取った内容を東京地検特捜部に説明している。特捜部は、既に亡くなっていた人や実際には献金していない人を「寄付者」と偽った問題に加え、小口献金についても、政治資金規正法違反(虚偽記入)容疑で捜査するとみられる。

 同会の収支報告書によると、総額のみを記載すればいい年間5万円以下の小口献金の金額を示す「その他の寄付」欄には、2004~08年の5年間に計約1億8000万円が計上されている。これは同会への個人献金全体の6割を占める》=読売ONLINE=

 《鳩山由紀夫首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」の虚偽献金問題をめぐり、団体側が、架空名義とみられる「寄付者」延べ75人分について、総務省に税金控除を申請し、書類の交付を受けていたことがわかった。75人は、05~07年に交付を受けた寄付者の約3分の2にあたり、虚偽記載として政治資金収支報告書から削除されている。

 控除書類の申請状況は、総務省に対する朝日新聞の情報公開請求でわかった。

 鳩山首相はこれまで、虚偽の献金者を仕立てた理由について「公設秘書(解任)が個人献金数を多く見せかけるためだった」などと説明している。団体側が、水増しが不自然に見えないよう、架空の税金控除書類の申請という二重の工作をしていた疑いがある。収支報告書の修正後、総務省は交付済みの控除書類が悪用されないように首相側に「適切な対応」を求めたが、5日までに返還などの措置は取られていない。

 ただし、こうした控除書類は「寄付者」本人でなければ税金控除申請には使えないため、ただちに税金の不正減額が行われたとはいえない》=朝日com=

 例の「故人献金」をはじめ、鳩山事務所の政治献金処理はかなりでたらめだ。政治資金規正法違反に当たることは間違いない。この点は厳しく問われるべきだろう。

 だが、どうも腑に落ちない。規制法上の虚偽記載という「形式犯」なのか脱税などの実態を伴っているのかが見えてこないのだ。一国の首相について、書類の不備だけで騒ぎ立てるのは疑問がある。かつて田中角栄が外為法違反で捕まったときの真の狙いが賄賂受領であったように、ここを突破口に切り込んでいくということなら、理解できる。

 民主党政権と検察の関係は微妙だ。西松献金問題で鳩山や小沢は「国策捜査」と批判していた。その「国」は今度は自分たちだ。検察はここで手を緩めれば、政権交代で方針がぐらついたということになり、決定的にまずいと考えているのだろう。果たして落としどころをどこに見つけるのか。

 臨時国会では鳩山献金が一つの焦点になりそうだ。鳩山はなぜこんなわけの分からない書類になったのか、きっちり説明しなければならない。秘書が「献金の額を多く見せようと思って」では、ほとんどの国民は納得できまい。

 こんなことで国会の時間を費やすなど、「革命政権」に許されることではない。
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