酔眼独語 

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普天間飛行場移設

2009-10-24 09:29:54 | Weblog
 ゲイツ国防長官に続いてマレン統幕議長が日本を訪れ、「大統領訪日前に普天間の決着を図れ」と脅しをかけている。

 《来日した米軍制服組トップのマイク・マレン統合参謀本部議長は23日、都内の米大使館で記者会見し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)移設問題について、「日米合意の履行が遅れれば日本の防衛だけでなく、アジア太平洋地域の安定にも死活的影響が生じる」と強く警告、普天間移設の速やかな実現を要請した》=産経ニュース=。

 2006に日米は普天間飛行場をキャンプシュワブ沿岸部に移設することなどを柱とする在日米軍の再編計画に合意している。これが政府間の約束事であることはいうまでもない。しかし、相手国の政権が変われば、合意の修正もまたありうると考えるのが常識だ。

 ブッシュ政権がポーランドやチェコと約束したMD配備を、オバマは撤回した。副大統領のバイデンが、いま東欧各国で頭を下げて回っているのはそのためだ。東欧では自ら軍事政策を転換、極東では日本の見直しを許さないというのでは二重基準もいいところだ。

 マレンは「再編が動かないと日本の安全への支援に支障をきたす」と述べている。一体どのような支障が出るというのか。再編の主体である沖縄の米海兵隊は強襲攻撃部隊であり、遊撃部隊だ。米軍の世界戦略に従いさまざまな動きを見せる。日本防衛や東アジアの安定はその任務の一部に過ぎない。現にイラク戦争にも派遣されている。

 《二〇〇三年三月に開戦したイラク戦争で、沖縄を拠点とする米海兵隊の第三海兵遠征軍(ⅢMEF)が、これまでに約八千人をイラクに派遣していたことが十六日までに分かった。在沖米海兵隊報道部が沖縄タイムスに明らかにした。現在は約二千人が「イラクの自由作戦」に加わっているという。また在沖海兵隊員のイラクでの戦死者は、今年八月まで十九人に上っていることも分かった》=沖縄タイムス・08・9・17=

 八方ふさがりのオバマが、日本訪問でも土産を持ち帰れなかったとなると保守派から激しいブーイングを浴びるのは必至だ。だからゲイツ、マレンと立て続けにやってきて地ならしを図っているのだろう。

 普天間を県外ないし国外に移設するのは民主党の政権公約だ。ずるずる引き延ばせば宜野湾市民は危険と騒音にさらされたままになる。訓練、飛行時間の規制を強めて負担軽減を図ることが先決だ。

 かつてシュワ部沿岸施設について「15年後返還説」があった。最悪シュワブに移す場合でも、期限を切るのは絶対条件だ。さもないと永遠に沖縄は基地から解放されない。普天間はその試金石ともいえる。

 
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