左舷から迫ってくる巨大な船影を見たとき、マグロ漁船の親子が感じた恐怖はどれほどのものだっただろう。
房総半島野島崎沖で今日未明に起きた海自イージス艦と漁船の衝突事件のことである。雨のように降ってくるミサイルを識別して撃ち落す能力があるのに、海上からの攻撃には何の抵抗も出来ない。事故を単純化すればそんな理屈が成り立つ。お粗末かつ信じ難い出来事である。
イージス護衛艦「あたご」は海自が保有する最新型のイージス艦である。昨年末、同僚艦の「こんごう」が初めて実射試験に成功したミサイル迎撃と同様の訓練のため訪れていたハワイ沖から横須賀に帰投する直前だった。
3次元レーダーは、防空が専門である。しかし、ルックアップ能力しかないわけではない。水平方向も360度をレーダーで監視していたはずだ。魚雷や敵艦船の襲撃に備えるのは海軍の常識だろう。
レーダー監視要員とワッチ番水兵がともに任務を怠っていた可能性が濃厚である。未明で暗い海とはいえ、漁船は航海灯をつけていたはずだ。あたごの乗組員は緑色のライトをつけた船舶を見たと証言しているらしい。艦速といつ漁船に気づいたかが焦点となろう。
NHKのニュースでは、海自の調べとして「漁船に気づき後退の動作を始めたが間に合わなかった」などの内容を紹介していた。こんな言い方をするNHKもNHKだ。要はプロペラを逆転させたということだろう。18ノットで航行する8000トン級の軍艦が、そんなに簡単に「後退の動作」を取れるはずがない。海自や防衛省の発言から、衝突回避行動の真剣さが伝わってこない。
1隻1500億円近いカネをかけて、民間の漁船を撃沈する船を建造されてはたまったものではない。洞爺湖サミットのテロ対策としてイージス艦の展開も検討されていると聞く。乗組員の能力がこの程度では、爆弾を積んだ小型モーターボートなどからの攻撃を防げるかどうか甚だ怪しい。
行方不明の親子の安否が気がかりだ。いまの房総沖の海水温から考えて、生存の可能性はかなり低いと思われる。敵のミサイルを撃墜するより何より、自国民に害をなすイージスではお話にもならない。防衛相や首相への情報伝達の遅れもひどい。そういえば、愛媛県宇和島水産高校の実習船えひめ丸がアメリカ海軍の潜水艦に撃沈されたとき、オットセイ頭の首相が責任を問われたことがあった。
福田さんも腹を固めておいた方がいいかもしれない。
房総半島野島崎沖で今日未明に起きた海自イージス艦と漁船の衝突事件のことである。雨のように降ってくるミサイルを識別して撃ち落す能力があるのに、海上からの攻撃には何の抵抗も出来ない。事故を単純化すればそんな理屈が成り立つ。お粗末かつ信じ難い出来事である。
イージス護衛艦「あたご」は海自が保有する最新型のイージス艦である。昨年末、同僚艦の「こんごう」が初めて実射試験に成功したミサイル迎撃と同様の訓練のため訪れていたハワイ沖から横須賀に帰投する直前だった。
3次元レーダーは、防空が専門である。しかし、ルックアップ能力しかないわけではない。水平方向も360度をレーダーで監視していたはずだ。魚雷や敵艦船の襲撃に備えるのは海軍の常識だろう。
レーダー監視要員とワッチ番水兵がともに任務を怠っていた可能性が濃厚である。未明で暗い海とはいえ、漁船は航海灯をつけていたはずだ。あたごの乗組員は緑色のライトをつけた船舶を見たと証言しているらしい。艦速といつ漁船に気づいたかが焦点となろう。
NHKのニュースでは、海自の調べとして「漁船に気づき後退の動作を始めたが間に合わなかった」などの内容を紹介していた。こんな言い方をするNHKもNHKだ。要はプロペラを逆転させたということだろう。18ノットで航行する8000トン級の軍艦が、そんなに簡単に「後退の動作」を取れるはずがない。海自や防衛省の発言から、衝突回避行動の真剣さが伝わってこない。
1隻1500億円近いカネをかけて、民間の漁船を撃沈する船を建造されてはたまったものではない。洞爺湖サミットのテロ対策としてイージス艦の展開も検討されていると聞く。乗組員の能力がこの程度では、爆弾を積んだ小型モーターボートなどからの攻撃を防げるかどうか甚だ怪しい。
行方不明の親子の安否が気がかりだ。いまの房総沖の海水温から考えて、生存の可能性はかなり低いと思われる。敵のミサイルを撃墜するより何より、自国民に害をなすイージスではお話にもならない。防衛相や首相への情報伝達の遅れもひどい。そういえば、愛媛県宇和島水産高校の実習船えひめ丸がアメリカ海軍の潜水艦に撃沈されたとき、オットセイ頭の首相が責任を問われたことがあった。
福田さんも腹を固めておいた方がいいかもしれない。