酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

朝日・読売・日経連合

2008-02-02 05:15:30 | Weblog
 「あらたにす」ですか。ネーミングが良くないね。あすてらす製薬の広告かと思ってしまった。朝日新聞と読売新聞、日本経済新聞が立ち上げたインターネット共同事業のことである。

 いまどき、こんなもので新聞への回帰を図ろうなんて真剣に考えているのでしょうか。狙いは別のところにあると見た方がよさそうだ。「新聞勝ち組連合」で何かを始めようということか。

 しかし、3紙をよく読むと微妙なズレがあって、なかなか楽しめる。

 一番力が入り、かつはしゃいでいるのが朝日新聞だ。何しろ、1面から始まって社説で取り上げ、中ほどでは2ページを費やして特集している。読売は2ページの特集と社会面の隣面、日経は2ページ特集を掲載している。

 3紙の特集が、これまたおかしい。同じメンバーが司会を挟んで鼎談しているはずなのに、紙面に載っている中身はばらばらだ。本当は一体、何を話したのか。「読み比べる効用」を説いた「あらたにす」だが、当日の紙面について言えば比べれば比べるほど話の内容が分からなくなる。こういうのを「看板に偽りあり」と言うのではないか。

 最も笑わせてくれたのが、朝日にだけ載っていた日経岡部主幹のこの発言だ。いわく「(日経の論説委員は)責任感の強い人が多く、社説を担当する日は朝風呂に入って身を清める人もいる」。まじですか。

 総じて朝日の特集はうれしがって、お茶らけている。これが読売になると「朝日が解散を言っているのは民主党に肩入れしている証拠」というあたりに力が入っている。一番オーソドックスだったのが日経だろう。

 朝日と読売は紙面製作や文字の大きさなどでも共同戦線を張る構えらしい。豊富な資金力で次々と攻勢をかけ、地方紙を落城させようという作戦なのだろう。どちらも発行部数は減る一方、人口減の中で伸びるには地方紙を食うしかないと腹をくくったわけだ。

 朝日の社説がまた泣かせる。戦前の万朝報を引き合いに出して、自由な言論の戦いが大切だ、などとおっしゃる。勝ち組3紙で天下三分の計を立てておいて、これはないでしょう。経営と報道、評論の一体化が顕著な3紙の将来を憂える。これ以上読者を悲しませないでほしい。
コメント (16)
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